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道路を支える石油アスファルト

石油アスファルトは、黒くてねばねばした物質で、原油から様々な燃料を取り出した後に残るものです。原油を精製する過程では、沸点の違いを利用して成分を分離していきます。沸点とは、液体が気体になる温度のことです。原油には、ガソリンや灯油、軽油、重油、潤滑油など、様々な成分が含まれていますが、これらはそれぞれ沸点が異なります。精製工場では、原油を熱し、沸点の低い成分から順に蒸発させて分離していきます。ガソリンは低い温度で蒸発し、灯油、軽油と続き、最後に残るのが高沸点の成分、すなわち石油アスファルトです。 この過程は、様々な大きさの豆が入った袋から、大きさの順に豆を取り出していく作業に似ています。小さな豆から大きな豆へと順に取り出していくと、最後に残るのは一番大きな豆、それが石油アスファルトです。石油アスファルトは、主に道路舗装の材料として使われています。これは、石油アスファルトが持つ優れた性質によるものです。まず、石油アスファルトは強い粘着性を持っています。この粘着性のおかげで、砂利や砂などの骨材をしっかりとくっつけて、丈夫な舗装面を作ることができます。また、優れた防水性も持っています。雨水が道路にしみ込むのを防ぎ、道路の劣化を防ぎます。さらに、熱を加えると軟らかくなり、冷やすと固まる性質も持っています。この性質により、舗装工事を行いやすく、また、完成した道路は車両の重みにも耐えられるようになります。 石油アスファルトは、比較的安価で大量生産できるという利点もあります。原油という天然資源から得られる副産物であるため、安定した供給が見込めます。このように、石油アスファルトは、私たちの生活に欠かせない道路を支える、重要な役割を担っているのです。