強化プラスチック

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車の生産

車のボディに使われる樹脂

車を構成する部品には、様々な種類の樹脂が使われています。大きく分けて、熱を加えると柔らかくなり冷やすと固まる熱可塑性樹脂と、一度熱を加えて固まると二度と形を変えない熱硬化性樹脂の二種類があります。 熱可塑性樹脂は、まるで氷と水のように、熱によって形を変える性質を持っています。この性質のおかげで、何度も繰り返し成形することが可能です。不要になった部品を溶かして再利用できるため、環境への負担が少ない材料と言えます。代表的なものとしては、ポリプロピレンやポリエチレンなどがあり、車の内装部品やバンパーなどに広く使われています。ポリプロピレンは、比較的強度が高く、耐熱性にも優れているため、車の内外装部品に幅広く用いられています。また、ポリエチレンは、柔軟性があり、耐衝撃性に優れているため、燃料タンクや配管などに使用されています。 一方、熱硬化性樹脂は、一度熱を加えて固まると、再び熱を加えても形が変化しません。これは、加熱によって樹脂内部で化学反応が起こり、網目状の構造が形成されるためです。この構造により、高い強度と耐久性を持つため、車の重要な部品に利用されます。代表的なものとしては、フェノール樹脂やエポキシ樹脂などがあります。フェノール樹脂は、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性に優れており、電気部品やブレーキ部品などに使用されます。エポキシ樹脂は、接着性、強度、耐薬品性に優れており、車体の構造部品や接着剤などに使用されます。 不飽和ポリエステル樹脂は、熱硬化性樹脂の一種です。ガラス繊維などの強化材と組み合わせて複合材料として使用されることが多く、車体やバンパー、内装部品など、様々な部分に使われています。加工しやすく、強度や耐久性にも優れているため、自動車産業ではなくてはならない材料となっています。近年では、軽量化や燃費向上のため、樹脂部品の使用が増加傾向にあります。それぞれの樹脂の特性を理解し、適切な場所に適切な樹脂を使用することが、車の性能向上には不可欠です。