応力分布

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車の生産

サーモグラフィ技術:車の進化を支える熱の監視

ものを温めると、そこから目には見えない光が出てきます。この光を赤外線といいます。赤外線は温度が高いものほど強く出ます。この赤外線の強さを色の違いで表す技術が、温度を色で見る技術、つまりサーモグラフィです。 サーモグラフィでは、特別なカメラを使って赤外線を捉えます。このカメラは、赤外線の強さに応じて、異なる色を割り当てます。一般的には、温度が高い部分は赤や黄色、オレンジといった暖色系の色で、温度が低い部分は青や紫、緑といった寒色系の色で表示されます。こうして、普段は見えない温度の違いを、色の変化として見ることができるのです。 この技術は、様々な分野で役立っています。例えば、病院では、体温を測るのに使われています。また、家の壁などの断熱性能を調べるのにも使われます。断熱が不十分な場所は、熱が逃げているため、周囲より温度が低く表示されます。 特に、自動車の開発や製造では、この技術は欠かせません。エンジンの温度管理やブレーキの性能試験、部品の耐久性試験など、様々な場面で活用されています。例えば、ブレーキを強く踏んだときに、ブレーキパッドのどの部分がどれくらい熱くなるかを調べることができます。また、エンジンが動いているときに、冷却水がエンジンの各部分をきちんと冷やしているかを確かめることもできます。さらに、新しく開発した部品が、高い温度や低い温度でもきちんと動くかを調べるのにも役立ちます。このように、温度を色で見る技術は、自動車の安全性を高め、性能を向上させる上で、重要な役割を果たしているのです。