車の温度センサー:縁の下の力持ち
車は様々な環境で走るため、温度管理はとても大切です。この温度管理を支えているのが、車に取り付けられたたくさんの温度を測る部品、温度センサーです。では、どのような温度センサーが車には使われているのでしょうか?
代表的なものとしては、空気を吸い込む時に温度を測る吸気温度センサーがあります。吸い込んだ空気の温度を知ることで、エンジンの調子を整えるのに役立ちます。次に、エンジンを冷やす水の温度を測る冷却水温センサーがあります。水温が上がりすぎるとエンジンが壊れてしまうため、このセンサーの情報は重要です。また、エンジンオイルの温度を測る油温センサーもあります。オイルの温度を知ることで、エンジンの滑らかな動きを保つのに役立ちます。最後に、排気ガス、つまりエンジンから出た後の空気の温度を測る排気温センサーがあります。排気ガスの温度を知ることで、排気ガスの処理を適切に行うことができます。
これらの温度センサーは、それぞれ温度を測る仕組みが違います。吸気温度センサー、冷却水温センサー、油温センサーなど、比較的低い温度を測るものには、サーミスターと呼ばれる部品がよく使われます。サーミスターは、温度によって電気の通り方が変わる性質を持っています。温度が上がると電気抵抗が小さくなり、温度が下がると電気抵抗が大きくなります。この電気抵抗の変化を測ることで温度を知ることができます。一方、排気温センサーのように高い温度を測るものには、熱電対と呼ばれる部品がよく使われます。熱電対は、二種類の異なる金属を繋げたもので、二つの金属の接点に温度差があると電気が発生します。この発生する電気の大きさを測ることで温度差、つまり温度を知ることができます。このように、それぞれの温度センサーの性質を理解し、適切な場所に使うことで、正確に温度を測ることができ、車の安全な走行に繋がります。