操舵制御

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機能

四輪操舵の制御技術

車は、ただ前輪の向きを変えるだけで曲がっているわけではありません。実際には複雑な動きが組み合わさって、滑らかに曲がったり、速く曲がったりすることができるのです。その動きを助ける技術の一つに、後輪の向きも変える四輪操舵という技術があります。日産が開発した電動スーパーハイキャスも、この四輪操舵の一つで、後輪をどのように動かすかを指示する技術にモデル追従制御方式が使われています。 このモデル追従制御方式は、運転手がハンドルをどれくらい切ったか、アクセルをどれくらい踏んでいるか、ブレーキをどれくらい踏んでいるかといった情報を読み取ります。そして、その情報に基づいて、車がどのように動けば理想的なのかを計算します。例えば、カーブを曲がる時に、どれくらいの速さで、どれくらいの角度で曲がればスムーズで安全なのかを計算するのです。 この理想的な動きの指標となるのが、ヨーレートと横速度です。ヨーレートとは、車が回転する速さのことで、横速度とは、車が横に動く速さのことです。モデル追従制御方式は、あらかじめ設定されたこれらの目標値に近づくように、後輪の角度を細かく調整します。 例えば、高速道路で車線変更をする場合、後輪が適切な角度で動くことで、スムーズに車線変更ができます。また、カーブを曲がる際も、後輪が理想的な角度で動くことで、安定した走行が可能になります。この技術は、有名なスポーツカーであるGT-Rにも搭載されており、その高い運動性能に貢献しています。まるで運転手の意図を読み取るように、車が思い通りに動いてくれる感覚は、まさに先進技術の賜物と言えるでしょう。