新規格

記事数:(1)

車のタイプ

軽自動車規格の変遷:新規格誕生

昭和五十三年十月一日、軽自動車の規格が見直され、大きな変化がありました。全長と全幅の制限が緩和されたのです。それまでの軽自動車は、全長三百三十センチメートル、全幅百四十センチメートルというサイズ制限がありました。しかし、新規格では全長が三百四十センチメートル、全幅が百四十八センチメートルへと拡大されました。 この規格変更の大きな目的は、安全性の向上です。軽自動車は、普通車と比べて車体が小さいため、衝突事故の場合、乗員が大きな衝撃を受ける危険性が高いという問題がありました。そこで、車体のサイズを大きくすることで、衝突の際に安全性が高まるようにしたのです。 具体的には、車体の骨組みを強くすることや、衝突したときに安全を守るための装置を取り付けるための場所を確保することなどが挙げられます。車体の骨組みを強くすることで、衝突時の衝撃を吸収し、乗員への被害を軽減することができます。また、エアバッグなどの安全装置を取り付けるスペースを確保することで、より多くの安全装置を搭載することが可能になります。 新規格への移行によって、軽自動車は普通車と同等の安全性を確保することが期待されました。これまで軽自動車は、価格の安さや維持費の安さから人気がありましたが、安全面での不安を指摘されることもありました。規格変更により、安全性が高まったことで、軽自動車はより多くの人にとって魅力的な選択肢となりました。 加えて、サイズの拡大は居住性の向上にも繋がりました。全長と全幅が拡大されたことで、車内空間が広くなり、乗員の快適性が向上しました。特に後部座席の居住性が改善されたことで、大人数での乗車もより快適になりました。これにより、軽自動車は単なる「セカンドカー」としての役割だけでなく、ファミリーカーとしての需要も高まることとなりました。