歯形

記事数:(1)

駆動系

ギヤノイズの発生原因と対策

車が走ると、いろいろな音が聞こえてきます。その一つに「歯車音」と呼ばれるものがあります。これは、歯車が噛み合う時に出る音で、アクセルを軽く踏んだり、エンジンブレーキを軽くかけた時に「ヒューン」という高い音や「ウォーン」という低い音として聞こえます。まるで口笛のような音だったり、低い唸り声のようだったり、聞こえ方は様々です。 この歯車音は、変速機や差動装置といった歯車を使う部品から出てきます。変速機は、エンジンの回転をタイヤに伝える際に、速度に合わせて回転の大きさを変える装置です。差動装置は、カーブを曲がる時に左右のタイヤの回転速度を変える装置です。これらの装置には多くの歯車が組み込まれており、そこで歯車音が発生するのです。 歯車音の高さは周波数で表され、大体300ヘルツから2000ヘルツの範囲です。人間の耳で聞こえる音の範囲は20ヘルツから2万ヘルツと言われていますので、歯車音は比較的低い音から中くらいの高さの音に該当します。静かな車内を実現するためには、この歯車音を小さくすることが大切です。音を小さくする工夫として、歯車の形を工夫したり、歯車の材質を変えたり、潤滑油の種類を調整したりといった様々な対策が行われています。 近年では、静粛性、つまり車内の静かさが車の快適性を評価する重要な要素となっています。そのため、自動車メーカーは歯車音だけでなく、エンジン音やタイヤの摩擦音、風切り音など、様々な騒音を抑える技術開発に力を入れています。より静かな車内環境を作ることで、運転の疲れを軽減し、同乗者との会話を楽しんだり、音楽を心地よく聴いたりすることができるようになり、快適なドライブを楽しめるようになるのです。