水素燃料

記事数:(1)

エンジン

水素エンジン:未来の車を動かす可能性

水素エンジンは、水を電気で分解して得られる水素を燃料とする内燃機関です。これは、ガソリンエンジンと同じように、ピストンとシリンダーという主要部品で構成されています。ピストンはシリンダーの中を上下に動き、その動きで動力が生まれます。この動きを生み出すのが水素の燃焼です。 水素エンジンでは、水素と空気の混合気をシリンダー内で燃焼させます。この燃焼によってピストンが押し下げられ、エンジンが動きます。ガソリンエンジンの場合、燃焼後に二酸化炭素が排出されますが、水素エンジンの場合は水しか排出されないため、環境への負担が少ない未来の動力源として期待されています。 現在、自動車を作る会社や大学などで、既存のガソリンエンジンを基にした水素エンジンの研究開発が進められています。これらのエンジンには、水素を送り込むための噴射口と、混合気に火をつけるための点火栓、もしくはグロー栓が備え付けられています。点火栓は電気の火花で、グロー栓は高温になった部分で、それぞれ混合気に点火します。 水素はガソリンと比べて燃える速度が速いため、エンジンの出力特性の向上、つまり同じ大きさのエンジンでより大きな力を出すことができる可能性を秘めています。さらに、水素は空気中の酸素とすぐに反応するため、薄い混合気でも安定して燃焼させることができます。混合気が薄ければ使う燃料の量を減らすことができ、この特性によって燃費の向上も期待できます。つまり、少ない燃料で長い距離を走ることが可能になるのです。