流通

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組織

車の販売網:販売店系列の変遷

自動車を作る会社は、自分たちの車を買ってもらうために、全国各地にお店を展開しています。これが販売店網で、いくつかの系列に分かれています。販売店系列とは、それぞれの系列ごとに異なる車種を扱ったり、特定のお客さんを対象としたり、独自の販売方法で車を売る仕組みのことです。かつては、多くの自動車メーカーが販売店系列を増やすことで、より多くの人に車を買ってもらい、市場での販売台数を増やそうとしていました。例えば、トヨタは「トヨタ店」「トヨペット店」「カローラ店」「ネッツ店」「レクサス店」の5つの系列を持ち、日産も「日産店」「サティオ店」「プリンス店」「ブルーステージ」の4つの系列を持っていました。これらの系列は、それぞれ異なる車種を扱ったり、販売方法を変えたりすることで、さまざまなお客さんの獲得を目指して競い合っていました。 販売店系列は、自動車メーカーにとって、自分たちの車を効率よく売るための大切な作戦でした。それぞれの系列は、メーカーの指示に従って販売活動を行い、車を買った後のお客さんへの対応も行っていました。このようにしてお客さんとの良好な関係を築き、メーカーの評判を守る役割を担っていたのです。例えば、ある系列は高級車、別の系列はファミリーカーといったように、それぞれの系列が異なる車種を専門的に扱うことで、お客さんのニーズに合った車種を的確に提供することができました。また、各系列は、メーカーが定めた販売方針に基づき、販売価格や販売方法を統一することで、メーカー全体のブランドイメージを守っていました。さらに、車を買った後も、点検や修理などのアフターサービスを各系列がきちんと行うことで、お客さんの信頼を維持し、長く車に乗ってもらえるようにしていました。販売店系列は、単なる販売網ではなく、メーカーとお客さんをつなぐ大切な架け橋だったと言えるでしょう。近年では、販売網の再編が進み、系列ごとの垣根が低くなりつつあります。しかし、かつての販売店系列は、各メーカーが販売戦略を展開する上で重要な役割を果たしていたことは間違いありません。
車の買取

オートオークションのすべて

車の競り市、正式には自動車競売市場とは、中古車を主体とした車の売買を行う市場のことです。多くの車が一堂に集められ、中古車販売業者たちが価格を競い合って車を購入します。まるで魚市場のように、活気あふれる取引が行われています。 かつて、中古車の売買は販売業者同士が個別に行うのが主流でした。しかし、車の普及に伴い中古車の流通量が増加すると、より効率的な取引方法が求められるようになりました。そこで注目されたのが、競売という方法です。一度に多くの車を並べ、複数の業者が価格を競うことで、迅速かつ効率的に売買を行うことができるようになりました。また、売主にとってはより高い価格で売却できる可能性が高まり、買主にとっては幅広い車種から希望の車を見つけやすくなるという利点もあります。 この競売市場は、中古車販売業者団体だけでなく、製造会社系列の団体や外国車を取り扱う団体も活用しています。これにより、中古車市場全体の活性化につながり、様々な種類の車が効率的に流通するようになりました。消費者は多様な選択肢の中から、自分の好みに合った車を見つけやすくなったのです。 近年では、情報通信網を使った競売も開催されています。場所を選ばずに参加できるため、より多くの販売業者や個人が参加できるようになりました。手軽に参加できることから、中古車市場はますます活発になっています。また、情報通信網の活用により、車の状態に関する詳細な情報が提供されるようになり、取引の透明性も向上しています。今後も、情報通信技術の進歩とともに、自動車競売市場はさらに進化していくことでしょう。
組織

車の仕切り価格:販売価格との関係

車は、製造会社から販売店を経て、私たちの手に渡ります。この時、製造会社が販売店に車を卸す際の値段のことを仕切り価格と言います。仕切り価格は、私たちが実際に車を買う時の値段である販売価格とは違います。販売価格には、販売店の利益や様々な経費、点検整備などの費用が含まれているため、仕切り価格よりも高くなります。 仕切り価格を知ることで、販売店との値段交渉を有利に進められると言われています。仕切り価格と販売価格の差額が大きいほど、値引き交渉の余地が大きくなるからです。例えば、仕切り価格が200万円で、販売価格が250万円の車と、仕切り価格が220万円で販売価格が250万円の車では、前者の方が値引き交渉の余地が大きいと言えるでしょう。つまり、販売価格が同じでも、仕切り価格が低い方が、より多くの値引きが期待できる可能性があります。 しかし、仕切り価格は通常公表されておらず、入手するのは簡単ではありません。インターネットで調べたり、販売店に直接尋ねても、教えてもらえることはほとんどないでしょう。仕切り価格に関する情報は企業秘密として扱われており、公開すると競争上の不利益が生じる可能性があるためです。 仕切り価格を正確に知ることは難しいですが、大体の価格帯を把握しておくことは、車を買う上で役立ちます。新車の価格情報誌やウェブサイトなどで、おおよその仕切り価格を推測できる情報が提供されている場合もあります。これらの情報を参考に、販売店との交渉に臨むと良いでしょう。また、過去の販売実績や市場動向なども考慮することで、より現実的な価格交渉が可能になります。