燃焼式ヒーター

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機能

車の暖房:快適な車内空間を作る仕組み

車の暖房は、おもにエンジンの熱を利用して車内を温めます。エンジンは動いていると熱くなりますが、この熱をそのままにしておくと車が壊れてしまいます。そこで、エンジンを冷やすために冷却水という液体を循環させています。この冷却水は、エンジンを冷やす過程で温められます。 暖房をつけると、この温まった冷却水が暖房装置にある熱交換器と呼ばれる部分に送られます。熱交換器は、まるで小さなラジエーターのような構造をしています。温まった冷却水が熱交換器の中を流れると、同時に送風機で外気を取り込み、熱交換器に風を当てます。すると、冷却水の熱が風に移り、温かい風になります。この温風は、吹き出し口から車内に送られ、車内全体を暖めます。 エンジンが始動したばかりの時は、冷却水がまだ温まっていないため、暖房の効きが悪く、冷たい風が出てきます。しかし、エンジンが温まってくると冷却水の温度も上がり、暖房の効きも良くなり、温かい風が吹き出すようになります。 最近の車は、燃料消費を抑えるために、信号待ちなどで停車中にエンジンを自動で停止させる機能がついています。この機能は、燃料消費を抑える効果がありますが、エンジンが停止すると暖房が使えなくなります。エンジンが止まると冷却水の循環も止まり、熱交換器を温めることができなくなるからです。 このような時に活躍するのが、PTCヒーターという電気で温めるヒーターです。PTCヒーターは、電気を流すとすぐに発熱するため、エンジンが停止している間でも温かい風を出すことができます。ハイブリッド車や電気自動車など、エンジンを搭載していない車では、PTCヒーターや、熱を移動させて効率的に温めるヒートポンプ式のエアコンを暖房として使用します。
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車の快適な暖房:燃焼式ヒーター

{凍えるような寒い冬、車に乗り込むのは辛いものです。}特に気温が氷点下になる地域では、冷え切った座席やハンドルに触れるだけで身震いしてしまいます。エンジンの冷え込みも厳しく、なかなか温風が出ず、車内が暖まるまでにはかなりの時間を要します。このような冬の車の悩みを解消してくれるのが、燃焼式ヒーターです。 燃焼式ヒーターとは、ガソリンや軽油などの燃料を燃焼させて温風を作り出す装置です。エンジンとは独立したシステムであるため、エンジンをかけなくても車内を暖めることができます。エンジン始動前にヒーターを作動させれば、暖まった車内で快適なドライブを始められます。また、車内を暖めるだけでなく、エンジンの冷却水も温めてくれるため、エンジンの始動性も向上し、冬の寒い朝でもスムーズにエンジンを始動させることが可能です。 燃焼式ヒーターには、様々な利点があります。まず、前述のように車内とエンジンを暖めることで、快適性と始動性を向上させます。さらに、窓ガラスの霜や雪を解かすのにも役立ちます。冬の朝はフロントガラスが凍結してしまい、出発前に解氷作業が必要になることがありますが、燃焼式ヒーターを使えば、車に乗り込む前に霜や雪を溶かすことができるので、時間と手間を省くことができます。 近年、環境保護の観点からアイドリングストップ運動が推進されています。しかし、寒い冬にアイドリングストップを行うと、暖房が止まってしまい車内が冷えてしまうという問題がありました。燃焼式ヒーターは、エンジンを停止した状態でも作動するため、アイドリングストップ中でも快適な車内温度を維持することができます。つまり、環境にも優しく、ドライバーにも優しい、まさに一石二鳥の快適装備と言えるでしょう。 このように、燃焼式ヒーターは、冬の車の様々な悩みを解決してくれる優れものです。快適性、利便性、環境性能を兼ね備えた燃焼式ヒーターは、これからの冬のカーライフに欠かせない存在になるでしょう。