燃焼速度

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エンジン

燃焼室の火炎伝播距離:エンジンの性能を決める重要な要素

車の心臓部であるエンジン内部では、ガソリンと空気の混合気に点火プラグで火花が飛ばされ、爆発的な燃焼によってピストンが押し下げられます。この燃焼の広がり方を左右する重要な要素の一つに、火炎伝播距離があります。火炎伝播距離とは、点火プラグから生まれた炎が燃焼室の壁まで届く距離のことです。ちょうどロウソクに火をつけたとき、炎が周りの空気に広がるように、エンジンの中でも火は広がっていきます。この広がりの速さと範囲がエンジンの性能を大きく左右します。 火炎伝播距離が適切であれば、燃焼室全体に素早く均一に炎が広がり、混合気は力強く燃え上がります。これは、エンジンの出力向上と燃費の改善に繋がります。しかし、火炎伝播距離が短すぎるとどうなるでしょうか。炎は壁に早く到達し、燃焼室全体に広がる前に消えてしまう部分が出てきます。これでは混合気が燃え残ってしまい、エンジンの出力が低下するだけでなく、有害な排気ガスが増加する原因にもなります。反対に、火炎伝播距離が長すぎると、炎が燃焼室全体に広がるまでに時間がかかってしまい、燃焼効率が悪くなります。ゆっくり燃えることで、せっかくの熱エネルギーがピストンを動かす力に変換されにくくなり、エンジンの出力と燃費は悪くなってしまいます。 このように、エンジンの性能を最大限に引き出すには、火炎伝播距離を最適な値に調整することが必要不可欠です。そのため、エンジンの設計段階では、燃焼室の形や大きさ、点火プラグの位置などを綿密に計算し、火炎伝播距離を最適化することで、高出力、低燃費で環境にも優しいエンジンを作り上げています。
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乱流火炎:エンジンの心臓部

燃焼とは、物が空気中の酸素と結びついて熱と光を出すことです。物を燃やすためには、燃えるもの(燃料)、酸素、そして熱の三つの要素が必要で、これらを「燃焼の三要素」と呼びます。この三要素が揃うと、燃料と酸素が化学反応を起こし、熱と光が生まれます。 自動車のエンジンでは、ガソリンを燃料として燃焼させています。ガソリンは空気と混ざり合い、エンジン内部の装置で火花が散らされます。この火花が熱源となり、ガソリンと空気の混合気に点火し、燃焼が始まります。この燃焼によって発生した高温高圧のガスがピストンを押し、エンジンを動かします。 燃焼には、大きく分けて二つの種類があります。一つは「層流燃焼」と呼ばれるもので、これはロウソクの炎のように、穏やかで規則正しい燃え方です。空気の流れが安定している時に起こります。もう一つは「乱流燃焼」で、エンジン内部のように空気の流れが激しい時に起こる、不規則で激しい燃え方です。 層流燃焼では、熱は主に周りの空気に伝わって燃え広がりますが、乱流燃焼では、空気の流れによって燃料と酸素が激しくかき混ぜられるため、層流燃焼よりもずっと速く燃え広がり、より多くの熱と光を出します。自動車のエンジンでは、この乱流燃焼を利用して、効率よく大きな力を生み出しているのです。エンジンの設計では、この乱流燃焼をうまく制御することが重要になります。燃焼がうまく制御されないと、エンジンの出力や燃費が悪くなったり、有害な排気ガスが増えたりするからです。そのため、エンジンの形や燃料噴射の方法などを工夫することで、最適な燃焼状態を作り出しています。