クルマづくりの巧みさ:組立て作業性
組み付け作業のしやすさ、つまり組み付け作業性とは、部品や装置を組み立てる時の、作業の進めやすさ、あるいは進めにくさを示す言葉です。ものづくり、特に車づくりにおいて、この作業性は大変重要です。なぜなら、組み付け作業がしやすいということは、作業にかかる時間を縮め、たくさんの車を作ることができ、結果として車を作るお金を減らすことにつながるからです。
組み付け作業性が良いと、作業者の体や心に負担がかかりにくくなります。体に無理な姿勢を強いることが少なくなり、また、複雑な手順で混乱することも減るため、肉体的にも精神的にも楽になるのです。作業しやすい環境は、作業中のミスを減らし、出来上がった車の質を高めることにも役立ちます。
例えば、車を作る際に、ボルトを締める作業を考えてみましょう。もし、ボルトを締める工具が使いにくかったり、ボルト穴の位置が分かりにくかったりすると、作業者に負担がかかり、時間もかかります。また、締め間違いなどのミスも起こりやすくなります。反対に、工具が使いやすく、ボルト穴の位置が分かりやすく設計されていれば、作業はスムーズに進み、ミスも減り、質の高い車ができます。
車を作る工程では、たくさんの部品を組み合わせていきます。小さな部品から大きな部品まで、様々な形や大きさの部品を、決められた手順で組み付けていく必要があるため、それぞれの部品の組み付けやすさが重要になります。部品の配置や形状、使用する工具など、様々な要素が組み付け作業性に影響を与えます。
組み付け作業性は、車の生産効率、製造費用、完成した車の質、そして作業者の安全と健康、これら全てに関わる大切な要素です。良い車を作るためには、作業者が安全で快適に作業できる環境を作り、組み付けしやすいように設計することが必要です。