オゾンの力:空と暮らしを守る
私たちは空気を吸って生きています。この空気の中にたくさん含まれているのが、酸素と呼ばれるものです。酸素は、目には見えない小さな粒、酸素原子が二つ手をつないだような形で存在しています。ところが、この酸素原子には、三つで手をつなぐ仲間もいるのです。それがオゾンです。オゾンも酸素と同じ酸素原子でできていますが、その性質はまるで違います。
まず、オゾンには独特のにおいがあります。プールでよく嗅ぐ消毒液のようなにおいです。このにおいは、オゾンの高い反応性によるものです。反応性とは、他の物質と結びつきやすさのことで、オゾンは非常に反応性が高い物質です。そのため、ごくわずかな量でも、私たちの鼻は敏感にそのにおいを感じ取ることができるのです。例えば、事務作業で使う複写機や印刷機からも、わずかながらオゾンが発生しています。そのわずかな量でも、私たちはにおいとして感じ取ることができるのです。
自然界では、雷が光るときにもオゾンが発生します。雷は、空気を切り裂くほどの強い電気の放電現象です。この放電のエネルギーによって、空気中の酸素の一部がオゾンへと変化するのです。雷が鳴った後に、雨が降る前の独特のにおいを感じたことはありませんか?それは、雷によって生まれたオゾンのにおいかもしれません。
このように、オゾンは私たちの身近なところで、静かに、しかし確かに存在しています。酸素の親戚であるオゾンは、酸素とは異なる性質を持ち、私たちの生活の様々な場面で関わっている、不思議な物質なのです。