経済産業省

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環境対策

クルマのリサイクル:未来への走り

資源を大切に使い、周りの自然を守ることは、今の世の中にとってとても大切なことです。たくさんの物を作って、たくさんの物を使い捨てる時代を経て、ゴミが増え続けることは、大きな問題となっています。地球への負担を軽くするために、様々な工夫が必要です。特に、車は主要な工業製品の一つであり、その一生涯における環境への影響はとても大きいと言えます。 使い終わった車をきちんと処理し、再び資源として活用することをより良くするために、1997年の5月に当時の通商産業省(今の経済産業省)が『使った車を再び資源にする取り組みの計画』を立てました。これは、車を作る会社や売る会社など、車に関わる全ての会社が協力して、未来に向けてより良い社会を作るために積極的に取り組むべき道を示した、とても重要な一歩でした。 この計画では、車の部品を繰り返し使えるようにしたり、燃えるゴミや燃えないゴミにきちんと分けたりすることが決められました。また、車を解体する場所を整備したり、車の持ち主が車を処分する時にかかるお金を分かりやすくしたりすることも決められました。これらの取り組みによって、ゴミの量を減らし、資源を無駄なく使うことができるようになりました。 車を作る会社は、車を設計する段階から、再び資源として使えるようにすることを考えるようになりました。例えば、簡単に分解できるような構造にしたり、有害な物質を使わないようにしたりする工夫がされています。また、部品を修理したり、交換したりすることで、車を長く使えるようにする取り組みも進められています。 これらの取り組みは、車業界全体が協力して進めているもので、資源の有効活用と環境保全という目標に向かって、大きな成果を上げています。今後も、技術の進歩や社会の変化に合わせて、より良い方法を考え、持続可能な社会の実現に向けて努力していく必要があるでしょう。
環境対策

低公害車ガイドブック:環境への配慮

近年、地球温暖化や大気汚染といった環境問題への意識が高まり、私たちを取り巻く空気の質を守るための取り組みが重要視されています。自動車の排出ガスは、これらの問題の大きな要因の一つであり、排出ガスを削減するための技術開発や対策が急務となっています。その中で、環境への負荷が少ない「低公害車」は、持続可能な社会の実現に向けて欠かせない存在として注目を集めています。 この「低公害車ガイドブック」は、低公害車に関する様々な情報を分かりやすくまとめたもので、低公害車の種類や特徴、メリット・デメリット、購入時の補助金制度、最新の技術動向など、幅広い内容を網羅しています。例えば、電気自動車、燃料電池車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車など、それぞれの仕組みや環境性能について詳しく解説しています。さらに、低公害車の普及を促進するための国の政策や地方自治体の取り組みなども紹介し、読者の理解を深めるのに役立ちます。 低公害車は、単に排出ガスが少ないだけでなく、エネルギー効率が高いという利点もあります。これは、地球温暖化対策にも大きく貢献するだけでなく、家計の負担軽減にもつながります。また、走行音が静かであることも大きな特徴で、騒音公害の低減にも効果を発揮します。 このガイドブックを通して、低公害車についての正しい知識を身につけることで、環境問題への意識を高め、より良い車選びの判断材料にしていただければ幸いです。そして、一人ひとりが環境への責任を自覚し、持続可能な社会の実現に向けて、低公害車の導入を検討するなど、積極的に行動していくことが大切です。私たちの未来のために、そして子供たちの世代のために、地球環境を守り、より良い未来を築いていきましょう。
組織

未来の車を創る官民連携

今から30年ほど前、車が社会にもたらす様々な問題が深刻化し始めました。交通事故による死傷者の増加は人々の暮らしに影を落とし、道路の混雑は経済活動を停滞させ、排気ガスによる大気汚染は環境を悪化させていました。これらの複雑に絡み合った問題を解決するには、各省庁がそれぞれの立場や権限にとらわれず、協力して取り組む必要があったのです。 そこで、交通に関わる5つの省庁、すなわち、安全を守る警察庁、産業を振興する通商産業省、輸送を担う運輸省、通信技術を管轄する郵政省、道路整備を行う建設省が集結しました。それぞれの省庁が、まるで車の部品のように異なる役割を担い、一つにまとまることで大きな力を発揮できると考えたのです。こうして、5省庁連絡会議という話し合いの場が設けられました。 この会議は、各省庁の情報共有と政策連携を目的としていました。交通事故の発生状況や道路の混雑状況、自動車の排気ガスによる大気汚染のデータなど、各省庁が独自に集めた情報を持ち寄り、互いに提供し合うことで、より正確で全体的な状況把握が可能になります。また、各省庁が別々に政策を進めるのではなく、連絡会議で調整することで、無駄な重複や矛盾を避け、効率的で効果的な政策の実施を目指しました。未来の交通システムの実現に向けた第一歩として、5つの省庁は技術や知識を持ち寄り、知恵を出し合い、熱い議論を交わしました。それはまるで、多くの部品を組み合わせて一台の車を作り上げるように、未来の交通の姿を描き出す作業でした。
その他

Gマーク:良質なデザインの証

昭和三十二年、高度経済成長期へと足を踏み入れた我が国では、人々の暮らし向きが向上し、身の回りの品々にも、使い勝手だけでなく、見た目にも美しいものが求められるようになりました。そこで、優れたデザインの商品を広く世に広め、ものづくりを盛り上げようと、当時の通商産業省(現在の経済産業省)が立ち上げたのが、このグッドデザイン選定制度です。 この制度は、創設当初は「グッドデザイン選定制度」と呼ばれていましたが、後に「Gマーク制度」という愛称で広く知られるようになりました。Gマークという呼び名は、制度の象徴である「Gマーク」を冠した商品が、品質とデザインの両面で優れていることを示す証として、消費者の信頼を集めました。 選定された商品には、Gマークが表示され、これは消費者にとって、安心して購入できる品質の高い商品であることを示す目印となりました。このマークが付いた商品は、デザイン性が高いだけでなく、機能性や安全性にも優れていることが保証されているため、消費者は安心して商品を選ぶことができました。 Gマーク制度は、単に優れたデザインの商品を選ぶだけでなく、生産者に対してデザインの重要性を啓発し、ものづくりの質を高める役割も担っていました。この制度を通じて、多くの企業がデザインの向上に取り組み、日本の製品全体のデザイン水準が向上しました。 半世紀以上にわたり、日本のデザイン界を支えてきたGマーク制度は、優れた製品を数多く生み出し、日本の産業発展に大きく貢献してきました。そして、これからも、時代の変化に合わせて進化を続けながら、優れたデザインの普及と発展を支えていくことでしょう。