緊急ロック式巻取り装置

記事数:(1)

安全

シートベルトの安全を守る二重の仕組み

自動車に乗る人にとって、安全を守る上で欠かせないのがシートベルトです。かつては簡素な作りで、ただ体を固定するだけのものもありました。しかし、技術の進歩とともに、シートベルトは大きく変わってきました。今では、より安全性を高める様々な工夫が凝らされています。 その中でも特に重要なのが、緊急時にベルトを瞬時にロックする仕組みです。これは、緊急ロック式巻取り装置、略してELRと呼ばれています。普段は自由に動くベルトですが、事故が起きた際の衝撃を感知すると、瞬時にロックして体をしっかりと固定します。これにより、体が車外に投げ出されるのを防いだり、車内で体が激しく動いて怪我をするのを防いだりします。 ELRには、大きく分けて二つの方式があります。一つは、車が急激に減速した時や車が傾いた時に作動する方式です。もう一つは、ベルトが急に引っ張られた時に作動する方式です。近年の自動車では、この二つの方式を組み合わせた、二重の感知機構を持つELRが主流となっています。 二重の感知機構により、より確実にベルトをロックすることができます。例えば、車が横転した場合、車が傾くのと同時にベルトが引っ張られるため、どちらの感知機構も作動し、ベルトをしっかりとロックします。また、追突された場合など、車が急激に減速した際にも、ベルトが引っ張られるため、同様に確実にロックされます。 このように、シートベルトは常に進化を続けています。一見、同じように見えるシートベルトですが、安全を守るための技術が詰め込まれているのです。安心して自動車に乗るためにも、シートベルトを正しく着用することはもちろん、その仕組みについても理解を深めることが大切です。