点火プラグの自己清浄作用について
車は、燃料を燃やして力を得ていますが、この燃焼を起こすためには、燃料と空気の混合気に火をつけなければなりません。その大切な役割を担うのが点火栓です。点火栓は、先端に電極があり、その電極間に高電圧をかけることで火花を飛ばし、混合気に点火します。これにより、エンジンの中で爆発が起こり、車が走ることができるのです。
点火栓は、エンジンの中で非常に過酷な環境に置かれています。高温高圧の状況に常にさらされているため、様々な要因で性能が落ちてしまうことがあります。性能が落ちると、エンジンの始動が悪くなったり、力が出なくなったり、燃費が悪くなったりするなど、車の走りに様々な悪影響が出ます。
点火栓の性能低下の要因の一つに、電極への堆積物付着があります。堆積物とは、燃料に含まれる不純物や、エンジンオイルの燃えカスなどが電極に付着したものです。これらの堆積物は、火花が飛びにくくする原因となります。火花が弱くなったり、飛んだり飛ばなかったりするようになると、エンジンの燃焼が不安定になり、最終的にはエンジンが止まってしまうこともあります。
そこで重要になるのが点火栓の「自己清浄性」です。自己清浄性とは、点火栓自身が高温になることで、電極に付着した堆積物を燃やし、除去する機能のことです。 一般的に、点火栓の温度が450度を超えると、堆積物は自然に燃え始めます。この温度を「自己清浄温度」と呼びます。自己清浄温度に達することで、堆積物が溜まりにくくなり、点火栓の性能を維持することができます。
自己清浄温度に達しない運転を続けると、堆積物が除去されずに溜まり続け、点火栓の不調につながります。例えば、短距離運転ばかりしていると、エンジンが十分に温まらず、自己清浄温度に達しません。そのため、定期的に高速道路などを走行し、エンジンを高回転まで回して点火栓を高温にすることで、堆積物を除去し、点火栓の性能を保つことが大切です。