自己誘導

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エンジン

クルマの心臓部:点火コイルの秘密

電気の流れの様子が変わるのを邪魔する性質、これを自己誘導と言います。自分自身の変化を妨げる、不思議な現象です。 電気を流す部品、例えばコイルを思い浮かべてください。コイルに電気を流すと、磁石のような力が生まれます。この力は、流れる電気の量が増えれば強くなり、減れば弱くなります。そして重要なのは、この磁力の変化もまた電気を生み出すという点です。 急に電気を増やそうとすると、まるで抵抗するように逆向きの電気が発生します。逆に電気を急に減らそうとすると、流れを維持するように同じ向きの電気が現れるのです。まるで電気の流れの変化を嫌がり、現状を維持しようとしているかのようです。このため、自己誘導と呼ばれています。 この現象は、物体が動く時の慣性の法則と似ています。止まっている物体は止まり続けようとし、動いている物体は動き続けようとする性質です。電気の流れも同様に、変化を嫌う性質を持っているのです。 この自己誘導の性質は、様々な電化製品で役立っています。例えば自動車のエンジンを始動させる部品にも、この自己誘導が利用されています。エンジンの点火に必要な高い電圧を作るのに、自己誘導が重要な役割を果たしているのです。コイルに電気を流したり止めたりすることで磁力が変化し、その変化によって高い電圧が生み出される仕組みです。自己誘導は、私たちの生活を支える技術の重要な要素と言えるでしょう。
機能

逆起電力:電流変化への抵抗

電気の流れ道の一部に、コイルと呼ばれるくるくる巻かれた電線がある場合、電流の変化を邪魔する力が働きます。これを逆起電力と言います。コイルに電気が流れると、磁石のような力が生まれるのですが、この力は電流の変化を嫌う性質を持っています。 電流が増えようとすると、それを抑え込む方向に力が働き、逆に電流が減ろうとすると、それを維持する方向に力が働くのです。これは、まるで電流の変化に逆らう力、すなわち「逆らう力による電力」が生じているように見えるため、「逆起電力」と呼ばれています。 この現象は、自然界では急な変化を嫌う傾向があることと似ています。例えば、止まっている重い荷物を急に動かそうとすると、なかなか動き出しません。これは荷物の重さによる慣性力が、動きの変化を妨げているためです。逆起電力もこれと同じように、電流の変化という動きを妨げようとする慣性のようなものと考えることができます。 さらに詳しく説明すると、コイルに電流が流れると磁力が発生し、コイル自身が磁石のような状態になります。そして電流の値が変化すると、磁力の強さも変化します。この時、変化する磁力はコイル自身に新たな電気を生み出します。これが逆起電力です。この新たに生み出された電気は、元の電流の変化を邪魔する方向に流れる性質があり、結果として電流の変化を穏やかにする働きをしています。 急激な電流の変化は、電気回路に思わぬ悪影響を与える可能性があります。しかし、コイルの働きによって電流の変化が緩やかになるため、電気機器の故障を防ぐなどの効果が期待できます。この逆起電力の性質は、様々な電気機器で利用され、私たちの生活を支えています。