航続距離

記事数:(5)

環境対策

エネルギー密度と車の未来

物が持つエネルギーの量は、物の大きさや重さで大きく変わります。同じ大きさでも、ぎゅっと詰まっている物ほどたくさんのエネルギーを持っています。この、物の大きさや重さとエネルギーの量の関係を示すのが、エネルギー密度と呼ばれるものです。エネルギー密度は、単位の大きさや重さあたりにどれだけのエネルギーが含まれているかを示す値です。 エネルギー密度は、例えばある入れ物に入った燃料がどれだけのエネルギーを持っているかを考える際に役立ちます。同じ大きさの入れ物に、より多くのエネルギーを持つ燃料を入れることができれば、一度にたくさんのエネルギーを使うことができます。これは、自動車で言えば、一度の燃料補給でより長い距離を走れることを意味します。エネルギー密度の単位は、体積あたりのエネルギー量を表す場合はリットルあたりのキロワット時(L/kWh)、重さあたりのエネルギー量を表す場合はキログラムあたりのキロワット時(kg/kWh)で表されます。この値が小さいほど、同じエネルギーを得るために必要な燃料の量が少ないことを示しています。つまり、エネルギー密度が高い燃料は、少量で多くのエネルギーを取り出すことができるため、効率的と言えるのです。 エネルギー密度は、新しいエネルギー源の可能性を探る上で、重要な指標となります。特に自動車においては、エネルギー密度は車の重さや走行可能距離に直接影響します。重い燃料をたくさん積む必要があると、車の燃費が悪くなり、走行可能距離も短くなってしまいます。そのため、自動車の開発では、よりエネルギー密度の高いエネルギー源が求められています。 例えば、ガソリン車と電気自動車を比較すると、ガソリンの方がエネルギー密度が高いため、同じ重さでより長い距離を走ることができます。しかし、電気自動車の技術は日々進歩しており、電池のエネルギー密度も向上しています。将来的には、電気自動車がガソリン車を凌駕する日が来るかもしれません。エネルギー密度は、このように様々なエネルギー源を比較検討し、未来のエネルギーを考える上で欠かせない要素です。
EV

電気自動車の航続距離:カタログ値と実用値のずれ

車を買い替える際、カタログに載っている数値は重要な判断材料となります。特に、電気を動力源とする車の場合、一度の充電で走れる距離は気になる点でしょう。この、一度の充電で走れる距離をカタログ値で確認することができます。この数値は、国が定めた決まった手順で測られたもので、異なる車種を比べる時の基準となる大切な数値です。 しかし、このカタログ値は、あくまでも決まった条件下で測られた値だということを覚えておく必要があります。実際の道路を走る時の状況や、運転の仕方、天気など、様々な条件によって、走れる距離は変わってきます。例えば、坂道が多い道や、エアコンをたくさん使う暑い日、寒い日は、電気を多く使うため、カタログ値よりも走れる距離は短くなります。また、急発進や急ブレーキを繰り返す運転の仕方でも、電気を多く消費してしまいます。 つまり、カタログ値は目安として考え、実際に走る時は、カタログ値よりも短い距離しか走れないと想定しておくことが大切です。普段どのくらいの距離を走るか、充電はどこでどれくらいできるかを考え、自分の使い方に合った走れる距離を持つ車種を選びましょう。カタログ値だけで判断するのではなく、試乗して実際の車の性能を確かめることも重要です。販売員に相談して、自分の生活に合った車選びをしましょう。自分の使い方に合った車を選ぶことで、快適な車生活を送ることができます。
機能

航続距離で快適なドライブを

クルマで移動する際、一度の燃料補給でどのくらい走れるのかは気になる点です。この一度に走れる距離のことを、航続距離と言います。燃料を満タンにした状態から、燃料を使い果たすまで、どのくらい移動できるかを示す大切な目安です。例えば、遠出の計画を立てる時、航続距離が長いと給油の手間を減らすことができ、移動も楽になります。 航続距離は、ガソリン車や軽油車だけでなく、電気で走るクルマや水素で走るクルマにも当てはまる考え方です。電気で走るクルマの場合は、満充電の状態から電池が空になるまで、どのくらい走れるかを示し、水素で走るクルマの場合は、水素を満タンにした状態から空になるまで、どのくらい走れるかを示します。つまり、航続距離は、どんな燃料を使うクルマでも、一度の補給で走れる距離を意味します。 航続距離を決める要素は主に二つあります。一つは燃費性能です。燃費性能とは、燃料をどれだけ効率的に使えるかを示すもので、燃費が良いクルマほど、少ない燃料で長い距離を走ることができます。もう一つは燃料タンクの大きさです。タンクが大きければ、たくさんの燃料を積むことができるので、航続距離は長くなります。電気で走るクルマの場合は、電池の容量が、水素で走るクルマの場合は、水素タンクの大きさが、航続距離に影響します。 航続距離が長いと、特に給油所が少ない地域での移動に安心感があります。給油の心配をすることなく、長い距離を移動できるからです。山間部や地方を走る際などは、航続距離の長さが大きなメリットとなります。また、近年は環境への配慮から燃費性能の良いクルマが求められており、航続距離の長さも重要な選択基準の一つとなっています。
EV

電気自動車:未来の乗り物

電気自動車は、充電できる電池に蓄えた電気を使ってモーターを回し、車を走らせる仕組みです。ガソリンで動く従来の車と違って、走っている時に二酸化炭素などの排気ガスを全く出しません。そのため、環境への負担が少ない乗り物として、世界中で注目を集め、急速に普及が進んでいます。 電気自動車には、ガソリン車にはない様々な利点があります。まず、エンジン音がしないためとても静かです。それに加えて、エンジンの振動もないので、車内は快適な空間となります。静かで振動が少ないので、同乗者との会話もスムーズに楽しめますし、音楽も心地よく聴くことができます。 さらに、電気自動車は、モーター特有の力強い加速を体験できます。モーターは、スイッチを入れた瞬間に最大の力を出すことができるので、信号が青に変わった時など、発進時の加速性能が非常に優れています。力強い加速は、運転する楽しみの一つと言えるでしょう。 電気自動車の充電は、家庭用のコンセントでも行うことができますが、より早く充電するためには、専用の充電設備を利用する方法もあります。充電設備は、公共の場所に設置されているものも増えていますし、自宅に設置することも可能です。最近では、急速充電器と呼ばれる設備も普及しており、短時間で充電を済ませることもできるようになってきています。このように、充電設備の整備も進み、電気自動車はますます便利で使いやすい乗り物になっています。 電気自動車は、環境に優しく、静かで快適、そして力強い走りも楽しめる、未来の車と言えるでしょう。
環境対策

液化天然ガス自動車の未来

液化天然ガス自動車とは、燃料に液化天然ガスを使う自動車のことです。液化天然ガスとは何かというと、天然ガスを冷やして液体にしたものです。天然ガスは、都市にあるガス会社を通して家庭に届けられるガスや工場で使われる燃料にもなっていて、そのほとんどはメタンという気体です。メタンは、燃やすと出てくる二酸化炭素の量が、ガソリンや軽油に比べて少ないため、地球の温暖化対策として期待されています。 これまで、天然ガスを燃料にする自動車は、圧縮天然ガスを使っていました。これは天然ガスをぎゅっと圧縮したものです。しかし、気体のままなので、車に積める燃料の量が少なく、一度に走れる距離が短いという問題がありました。液化天然ガスは、気体の天然ガスと比べると大きさが約600分の1ととても小さくなるため、車により多くの燃料を積むことができます。そのため、液化天然ガス自動車は、圧縮天然ガス自動車よりも長い距離を走ることができます。 液化天然ガス自動車は、環境にも優しい自動車です。二酸化炭素の排出量が少ないだけでなく、窒素酸化物や粒子状物質などの排出量も少ないため、大気をきれいに保つのに役立ちます。また、天然ガスは世界中に広く分布しているため、エネルギー源の多様化にも貢献します。 液化天然ガス自動車はまだ普及し始めたばかりですが、環境への負荷が少ないこと、航続距離が長いことなどから、今後、注目されることが期待されています。特に、長距離を走る大型トラックやバスなどの大型車両への導入が期待されています。地球環境を守りながら、より便利な交通を実現するために、液化天然ガス自動車の技術開発は今後も進められていくでしょう。