蛍光表示灯

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見やすい自発光式表示灯:蛍光表示灯

蛍光表示灯は、真空のガラス管の中に少しの気体と蛍光物質を入れた表示灯です。この仕組みは、ブラウン管テレビに使われていた真空管とよく似ています。真空管の中では、電気を帯びた小さな粒である電子が飛び交います。蛍光表示灯も同様に、管の中の金属の細い線を電熱器のように熱することで電子を飛び出させます。この時、管の中にはごくわずかな気体が入っていて、飛び出した電子はこの気体の原子にぶつかります。すると、気体の原子はエネルギーをもらって活発になり、そのエネルギーを光として放出します。これが蛍光灯の光のもとです。蛍光表示灯では、この光る部分を数字や記号などの形に配置することで、様々な情報を表示します。例えば、「8」という数字を表示したい場合は、「8」の形に蛍光物質を塗布しておきます。すると、電子が当たった部分だけが光り、「8」の字が浮かび上がって見える仕組みです。この表示方法は、液晶画面のようにバックライトが必要ないため、消費電力が少なく、また、自ら光を発するため、暗い場所でも非常に見やすいという特徴があります。そのため、夜間でもはっきりと見える必要がある車の速度計や回転計、あるいは様々な機器の表示灯など、高い視認性が求められる場所に広く使われています。近年では、液晶画面やLEDの普及により、蛍光表示灯を見かける機会は少なくなりましたが、そのシンプルで確実な表示方式と低い消費電力は、今でも特定の分野で重宝されています。