観音開き

記事数:(3)

車のタイプ

観音開き:車の扉の独特な様式

観音開きとは、扉が真ん中から左右に開く形式のことを指します。この呼び名は、お寺でよく見かける観音様がまつられている厨子の扉の開き方に由来しています。厨子の扉は、中央で二つに折れ曲がり、左右に開く構造になっています。この様子が、まるで観音様が両手を広げて私たちを迎え入れてくれているように見えることから、観音開きと呼ばれるようになりました。 観音開きの扉は、左右均等に開くため、開口部が広く取れるという利点があります。そのため、大きな仏像や仏具などを出し入れする際に大変便利です。また、扉を開けた際に左右に広がる優美な姿も、観音開きの魅力の一つと言えるでしょう。 この観音開きという呼び名は、今では車の扉にも使われるようになりました。特に、トヨタの初代クラウンに採用された観音開きのドアは、当時としては画期的なデザインとして話題を呼びました。左右両方のドアを開けた姿は、堂々とした風格を漂わせ、高級車にふさわしい印象を与えました。 現在では、ミニバンや軽自動車など、様々な車種で観音開きのドアを見かけることができます。左右に大きく開くことで、乗り降りがしやすいだけでなく、荷物の積み下ろしもしやすいため、実用性も高く評価されています。 このように、観音開きという呼び名は、寺院の厨子から始まり、車のデザインにも取り入れられるようになりました。その優美な姿と実用性の高さから、現代まで広く愛されている扉の形式と言えるでしょう。
車の構造

車のドア:両開き式の謎を解く

自動車の扉の開閉方式は、時代と共に変化を遂げてきました。主流となっている前方に開く方式以外にも、様々な形式が存在し、その一つに観音開きがあります。観音開きとは、左右の扉が中央から外側に向かって開く方式で、まるで観音様が扉を開くように見えることから、その名が付けられました。 観音開きは、歴史を振り返ると、かつては高級車やスポーツカーで多く採用されていました。ゆったりとした乗り降りができ、高級感を演出できることがその理由でした。扉を開いた際の見た目も美しく、人目を引く存在感を放ちます。しかし、観音開きには、狭い場所での乗り降りが難しいという欠点も存在します。扉の全長が長いため、左右に十分な空間がないと、扉を完全に開くことができません。このため、一般の乗用車への普及は限定的でした。 近年、再び観音開きが注目を集めるようになってきました。その背景には、実用性を重視した車種への採用があります。例えば、後部座席への乗降性を向上させるために、前後の扉が繋がる観音開きが採用されています。前方の扉を開くと、後方の扉も同時に開き、後部座席へのアクセスが容易になります。これは、チャイルドシートの利用や荷物の積み下ろしに大変便利です。また、柱のない広い開口部が確保できるため、車椅子利用者にとっても利便性が高いと言えるでしょう。 このように、観音開きはその独特の形状から、高級感の演出と実用性の両立という、相反する要素を併せ持つ扉の開閉方式と言えます。技術の進歩により、今後ますます進化していくことが期待されます。
車の構造

車の後部ドア:種類と特徴

車の後部扉は、車の形や使い方によって様々な種類があります。大きく分けると、上に向かって開く跳ね上げ式、横に開く横開き式、そして左右に開く観音開き式の三種類があります。 跳ね上げ式は、天井に向かって大きく開く扉です。主に箱型の車や多人数乗りの車に見られます。扉の上半分は強化合わせガラス、下半分は鉄板でできているものが一般的です。跳ね上げ式扉の最大の利点は、荷物の出し入れがしやすいことです。扉が大きく開くため、大きな荷物でも楽に積み降ろしできます。また、雨の日でも荷室に雨水が入り込みにくいという長所もあります。 横開き式は、かつては後部に予備のタイヤを付けている車に多く使われていました。扉は車体側面に向かって横に開きます。しかし、最近は予備のタイヤを車体内部にしまう車が増えたため、横開き式の扉を採用する車は少なくなってきました。横開き式は、狭い場所での荷物の出し入れが少し難しい場合があります。 観音開き式は、左右の扉が観音様の扉のように外側に開きます。左右対称に開くものと、左右非対称に開くものがあります。左右非対称の場合は、幅の広い側に予備のタイヤが取り付けられていることが多いです。観音開き式は、荷室へのアクセスが非常に良いという特徴があります。特に、荷物の積み下ろしが多い商用車や、車の中で寝泊まりする人たちに人気があります。左右に大きく開くため、荷室の空間を最大限に活用できます。また、車体後部の開口部が大きくなるため、自転車などの長い荷物も楽に積み込むことができます。