クルマの重さ:どれくらい変わっても大丈夫?
自動車の重さは、道路運送車両法という法律で細かく定められています。これは、人々の安全を守る上で非常に重要だからです。
自動車の重さ、言い換えれば質量は、車の動き方や燃費、そして安全に大きく影響します。重すぎる車は、ブレーキをかける時に止まりにくくなったり、タイヤが早く傷んでしまうことがあります。反対に、軽すぎる車は、横風でハンドルを取られやすくなったり、走行中に不安定になることがあります。
そのため、法律では自動車の重さに適切な範囲を設けています。これを「質量許容差」と言います。質量許容差とは、設計図で決められた重さから、実際に製造された車の重さがどれくらいずれても許されるかを示す基準です。この基準値は、車の種類や大きさによって細かく決められています。
例えば、小型乗用車では設計値からプラスマイナス50キログラム、普通乗用車ではプラスマイナス60キログラムのずれが許されています。また、トラックやバスなど大きな車ではプラスマイナス100キログラムのずれまで許されています。これらの基準は、車の大きさや用途によって異なるのです。
自動車メーカーは、これらの基準をしっかりと守って車を作っています。もし、基準から外れた重さで作ってしまうと、安全に走行することが難しくなり、事故につながる可能性があるからです。質量許容差を守ることは、道路を走る人々の安全を守る上で、なくてはならない重要なルールなのです。