車両速度

記事数:(2)

機能

車速線図を読み解く

車速線図とは、自動車の心臓部である原動機がどれほど速く回っているかと、自動車そのものがどれほど速く走っているかという、二つの関係性を示した図表のことです。横軸には原動機の回転数を、縦軸には自動車の速度を目盛り、複数の線が引かれています。それぞれの線は変速機の段数を表しており、原動機の回転数と自動車の速度がどのように対応しているかを示しています。 たとえば、原動機の回転数が同じだとしても、変速機の段数が高いほど、自動車の速度は速くなります。これは、自転車に乗ることを想像すると分かりやすいでしょう。軽いギアではペダルを速く漕いでもそれほど速く進みませんが、重いギアにすると、同じペダルの回転数でもより速く進めます。車速線図もこれと同じ原理で、変速機の段数を変えることで、原動機の回転数と自動車の速度の関係が変化することを示しています。 この図表は、車速表と呼ばれることもあります。車速線図を詳しく見ると、原動機の性能や変速機の特性、そして自動車全体の動きの良し悪しを理解する上で重要な手がかりとなります。例えば、ある回転数で速度が急激に上昇する部分は、原動機が最も力を発揮する回転数の範囲を示しています。また、変速機の段数ごとの線の傾き具合を見ることで、変速機のギア比の設定が適切かどうかを判断することも可能です。さらに、最高速度がどれくらいになるのかを予測することもできます。 このように、車速線図は、自動車の性能を様々な角度から分析するために役立つ、重要な情報源なのです。
機能

車の駆動力曲線を読み解く

駆動力曲線とは、自動車の性能を図で表したもので、エンジンの回転数や車の速さと、路面を押す力の関係を読み解くための重要な資料です。縦軸には路面を押す力とエンジンの回転数を、横軸には車の速さを示します。 この図には、異なる歯車比における路面を押す力とエンジンの回転数、そして様々な坂道の傾斜がもたらす抵抗が示されています。簡単に言うと、車の速さが変わるにつれて、エンジンがどれだけの力を出し、どれだけの抵抗を受けているかを示す図解です。これを読み解くことで、その車の最高速度や坂道を登る能力、加速性能といった様々な走行特性を把握することができます。 例えば、急な坂道を登る能力が高い車は、低い速度域でも大きな力を発揮できるため、図の低い速度部分で路面を押す力が大きく表示されます。これは、低い速度でも大きな力を生み出せる強力なエンジンを搭載していたり、坂道に強い歯車比の設定がされていることを意味します。 また、高速道路での加速性能に優れた車は、高い速度域でも十分な力を維持できるため、図全体にわたって高い路面を押す力が示される傾向にあります。これは、高回転まで力強く回るエンジン特性や、高速走行に適した歯車比を持っていることを示しています。 さらに、様々な坂道の傾斜における抵抗もこの図に示されます。急な坂道ほど抵抗は大きくなるため、その抵抗を上回る力が必要になります。駆動力曲線が抵抗の線を上回っている範囲であれば、その坂道を登ることができるということです。 このように、駆動力曲線は車の性能を様々な角度から理解するための重要な道具と言えるでしょう。それぞれの線が何を表しているのか、そしてそれらがどのように車の性能に関係しているのかを理解することで、車選びの際にも役立つ情報を得ることができるでしょう。