車の安定性:サスペンションロール剛性を解説
車が曲がる時、遠心力によって車体は外側に傾こうとします。この傾きを抑える力の強さを回転抵抗の強さと呼び、乗り心地や安全に大きく関わってきます。回転抵抗の強さが高い車では、車体の傾きが少なく、安定した走りを実現できます。カーブを曲がるときも、地面に吸い付くような安定感があり、運転する人は安心してハンドル操作に集中できます。また、急に障害物を避けるような操作が必要になった場合でも、車体が大きく傾くことなく、安全に回避できる可能性が高まります。
一方、回転抵抗の強さが低い車では、車体が大きく傾き、乗っている人は不安定な揺れを感じます。まるで船に乗っているかのような揺れは、乗り物酔いを引き起こす原因の一つにもなります。また、急なカーブや障害物を避ける際に、車体の安定性が保てず、危険な状況に陥る可能性も高まります。
回転抵抗の強さは、ばねの硬さやつなぎ止める装置の構造など、様々な要素が複雑に絡み合って決まります。それぞれの部品の働きを緻密に調整することで、ちょうど良い回転抵抗の強さを実現することが重要です。高すぎると、路面の凹凸を拾いやすく、乗り心地が悪くなります。逆に低すぎると、車体の傾きが大きくなり、不安定な走りになってしまいます。そのため、快適な乗り心地と安全な走行性能を両立させるためには、車の種類や用途に合わせて最適な回転抵抗の強さを設定する必要があるのです。