車速線図を読み解く
車速線図とは、自動車の心臓部である原動機がどれほど速く回っているかと、自動車そのものがどれほど速く走っているかという、二つの関係性を示した図表のことです。横軸には原動機の回転数を、縦軸には自動車の速度を目盛り、複数の線が引かれています。それぞれの線は変速機の段数を表しており、原動機の回転数と自動車の速度がどのように対応しているかを示しています。
たとえば、原動機の回転数が同じだとしても、変速機の段数が高いほど、自動車の速度は速くなります。これは、自転車に乗ることを想像すると分かりやすいでしょう。軽いギアではペダルを速く漕いでもそれほど速く進みませんが、重いギアにすると、同じペダルの回転数でもより速く進めます。車速線図もこれと同じ原理で、変速機の段数を変えることで、原動機の回転数と自動車の速度の関係が変化することを示しています。
この図表は、車速表と呼ばれることもあります。車速線図を詳しく見ると、原動機の性能や変速機の特性、そして自動車全体の動きの良し悪しを理解する上で重要な手がかりとなります。例えば、ある回転数で速度が急激に上昇する部分は、原動機が最も力を発揮する回転数の範囲を示しています。また、変速機の段数ごとの線の傾き具合を見ることで、変速機のギア比の設定が適切かどうかを判断することも可能です。さらに、最高速度がどれくらいになるのかを予測することもできます。
このように、車速線図は、自動車の性能を様々な角度から分析するために役立つ、重要な情報源なのです。