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空気密度と車の性能

空気の濃さを知るための大切な尺度、それが空気密度です。空気密度とは、ある決まった大きさの空間にある空気の重さのことです。分かりやすく言うと、1立方メートル、つまり縦、横、高さがそれぞれ1メートルずつの箱に入った空気の重さを表しています。この重さをキロ単位で測り、立方メートルあたりの重さで表すので、単位は「キロ毎立方メートル」となります。 例えば、温度が0度のとき、1立方メートルの箱に入った空気は約1.25キロの重さになります。ですから、この時の空気密度は1.25キロ毎立方メートルとなるわけです。 空気密度は、温度や気圧によって大きく変わります。温度が上がると、空気は温められて膨らみます。すると、同じ大きさの箱でも、中の空気の量は少なくなるので、軽くなります。つまり、空気密度は小さくなるのです。逆に、温度が下がると、空気は冷やされて縮みます。同じ大きさの箱に、より多くの空気が入るため、重くなります。つまり、空気密度は大きくなります。 気圧も空気密度に影響を与えます。気圧が高いと、空気は押し縮められるので、密度が高くなります。逆に気圧が低いと、空気は広がるので、密度が低くなります。高い山の上では、周りの空気の圧力が低いため、空気は薄くなり、密度も低くなります。平地と比べると、山の上では息苦しさを感じることがありますが、これは空気密度が低く、一度に吸える空気の量が少なくなるためです。このように、空気密度は、私たちの周りの空気の状態を知る上で、とても重要な要素なのです。
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2ストロークエンジンの対称掃気方式

二行程機関は、クランク軸が一回転する間に吸気、圧縮、膨張、排気の四つの行程を行う内燃機関です。四行程機関のように吸気と排気を別々に行うのではなく、「掃気」と呼ばれる行程で同時に行います。この掃気行程の良し悪しが機関の性能を大きく左右します。掃気とは、燃焼済みの排気ガスをシリンダーから押し出し、同時に新しい混合気をシリンダー内に送り込む作業です。 掃気方式には、大きく分けてピストン制御方式と弁制御方式の二種類があります。 まず、ピストン制御方式について説明します。この方式は、ピストンの上下運動によってシリンダー壁に設けられた掃気口と排気口を開閉します。構造が簡単で製造費用も抑えられるという利点があります。しかし、ピストンの位置で掃気と排気のタイミングが決まるため、制御の自由度が低いという欠点もあります。ピストンの動きに合わせて吸排気を行うため、どうしても新しい混合気の一部が排気口から出て行ってしまう「ショートサーキット」と呼ばれる現象が発生しやすく、燃費が悪くなる傾向があります。また、排気ガスが十分に排出されずにシリンダー内に残ってしまうこともあり、出力の低下につながることもあります。 次に、弁制御方式について説明します。この方式は、管制弁を用いて掃気口と排気口の開閉時期を制御します。ピストン制御方式と比べて機構は複雑になりますが、掃気と排気のタイミングをより精密に制御できるため、ショートサーキットの発生を抑え、燃費と出力を向上させることができます。回転弁やリード弁など、いくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。例えば、回転弁は、円盤状の弁を回転させることで吸排気口を開閉する方式で、高回転域での性能向上に貢献します。リード弁は、薄い板状の弁が圧力差によって開閉する方式で、構造が簡単で費用も抑えられます。このように、弁制御方式は、機関の特性や用途に合わせて最適な弁を選択することで、より高い性能を引き出すことが可能です。
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2ストロークエンジンの非対称掃気

二行程機関は、吸入、圧縮、膨張、排気の四つの工程を、回転軸の二回転で終える燃焼機関です。四行程機関と違い、吸入と排気を同時に行う「掃気」という工程があります。この掃気の効率が機関の出力や燃費に大きく左右します。掃気には様々な種類がありますが、大きく分けると単流掃気、横断掃気、環状掃気の三種類に分類できます。 単流掃気は、筒の両端に吸入口と排気口を設け、新鮮な混合気を一方から入れ、排気ガスを反対側から出す方式です。空気の流れが一方向なので、混合気と排気ガスが混ざりにくく、掃気効率が高いのが特徴です。大型のディーゼル機関などで採用されています。 横断掃気は、筒の側面に吸入口と排気口を設け、混合気を筒の中を横切るように流し、排気ガスを押し出す方式です。構造が単純で製造費用を抑えられる利点がありますが、混合気の一部が排気口から出てしまう短所もあります。かつてはオートバイなどで広く使われていました。 環状掃気は、筒の側面に設けた吸入口から入った混合気が、筒の中を渦を巻きながら排気口から排気ガスを出す方式です。混合気が筒内を旋回することで、排気ガスを効率的に押し出すことができます。単流掃気に比べると構造が複雑になりますが、横断掃気に比べると掃気効率が高く、現在、小型の二行程機関で広く採用されています。
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車の出力向上:ブーストの仕組み

車の速さをぐっと上げるための仕組み、それが「増圧」です。 増圧とは、エンジンの中に送り込む空気の量を、いつもより多くすることで、たくさんの燃料を燃やし、力を強くする技術のことです。普段、エンジンは周りの空気を吸い込んでいますが、自然に吸い込める空気の量には限りがあります。この限界を超えるために、増圧という技術が使われます。 増圧の仕組みは、空気をぎゅっと押し縮めて、エンジンに送り込むことです。 これによって、同じ大きさのエンジンでも、より大きな力が出せるようになります。イメージとしては、風船を膨らませる時に、ぎゅっと空気を押し込むと、風船が大きく膨らむのと同じです。 この空気を押し縮める装置には、主に二つの種類があります。一つは「排気タービン増圧機」、もう一つは「機械増圧機」です。 排気タービン増圧機は、エンジンの排気ガスを利用して羽根車を回し、その力で空気を圧縮します。まるで風車で風を受けて回るように、排気ガスの勢いを利用して空気を押し縮めるのです。 一方、機械増圧機はエンジンの回転力を直接利用して空気を圧縮します。エンジンの力を使って、ポンプのように空気を押し込む仕組みです。 ぎゅっと押し縮められた空気は、熱くなります。熱い空気は膨らみやすいので、エンジンの力が出にくくなってしまいます。そこで、「中間冷却器」という装置で空気を冷やしてからエンジンに送り込みます。この中間冷却器は、エアコンのように空気を冷やす装置で、エンジンの力を最大限に引き出すために重要な役割を果たします。 増圧技術は、速さを競う車だけでなく、小さな車や荷物を運ぶ車など、様々な車に使われています。 エンジンの力を効率よく高めることができるため、幅広い車種で活躍しているのです。
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車の吸気負圧:仕組みと役割

車の心臓部であるエンジンは、空気と燃料を混ぜて爆発させることで動力を生み出します。この混合気を燃焼室へと送り込むために、エンジンには吸気管と呼ばれる管が備わっています。吸気管の一部である吸気集合管(マニホールド)内では、外の大気圧よりも低い圧力、すなわち負圧が発生します。これが吸気負圧です。 吸気負圧は、ピストンの動きによって生み出されます。ピストンが下降すると、吸気集合管内の体積が増加し、圧力が低下するため負圧が発生するのです。この負圧を利用して、エンジンは空気を取り込み、燃料と混ぜ合わせて燃焼室へと送り込みます。まるでエンジンが呼吸をするように、ピストンの上下運動に合わせて吸気負圧は変化を繰り返します。 吸気負圧の大きさは、エンジンの回転数やアクセルの踏み込み具合によって変化します。例えば、エンジン回転数が低いアイドリング状態では吸気負圧は大きく、逆に高回転状態では小さくなります。また、アクセルを急に踏み込むと、吸気負圧は一時的に小さくなります。 この吸気負圧の変化は、エンジンの様々な制御に利用されています。例えば、ブレーキの倍力装置の作動補助や、排気ガスの浄化装置の制御などに吸気負圧が用いられています。さらに、燃料噴射装置の制御にも吸気負圧の情報が利用され、より精密な燃料供給を実現しています。吸気負圧はエンジンの状態を把握するための重要な指標であり、エンジンの円滑な動作に欠かせない要素と言えるでしょう。