傾きが性能の鍵!アンギュラー軸受け
軸を支える部品である軸受けには、様々な種類がありますが、その中で「傾斜軸受け」と呼ばれるものがあります。傾斜軸受けは、その名の通り、内輪と外輪の間にある玉が転がる軌道が、軸に対して傾斜していることが大きな特徴です。この傾斜した構造こそが、傾斜軸受けの優れた性能の鍵となっています。
一般的な軸受けは、軸に垂直に掛かる力、つまり回転する軸を支える力を主に受け持つように作られています。しかし、機械を動かす際には、軸を垂直方向に押したり引いたりする力も発生します。このような軸方向の力を、専門用語では「推力」と呼びます。傾斜軸受けは、軸を支える力と推力の両方を同時に受け止めることができるため、様々な機械で重宝されています。
傾斜軸受けの内部には、玉が滑らかに転がるための溝が設けられています。この溝と玉が接触する角度が、傾斜軸受けの性能を左右する重要な要素です。接触角度が大きいほど、より大きな推力に耐えることができます。逆に、接触角度が小さい場合は、軸を支える力をより強く受け止めることができます。
このように、傾斜軸受けは、接触角度を変えることで、様々な用途に対応できるという利点があります。例えば、大きな推力が発生する工作機械や、高速で回転するモーターなど、様々な機械に最適な傾斜軸受けが選ばれ、滑らかな動作を支えています。接触角度以外にも、玉の大きさや材質、保持器の形状など、傾斜軸受けの性能を決定づける要素は様々です。これらの要素を最適化することで、機械の性能を最大限に引き出すことが可能になります。