雨滴感知

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運転補助

自動で雨を拭く!賢いワイパー

車の前面ガラスの上部、ちょうど車体前部の覆いの後ろあたりに、小さな装置が隠されています。これは、雨の量に応じて自動的に窓を拭く装置の重要な部品である、雨粒感知器です。この感知器は、まるで人間の肌のように雨を感じ取ります。雨粒が前面ガラスに落ちた時の衝撃、あるいはガラスに付着した雨粒によって生まれる電気の溜まり具合の変化を敏感に感じ取ります。 雨粒感知器は、赤外線を利用して雨を感知します。感知器から前面ガラスに向けて赤外線が照射され、ガラスに雨粒が付着していない状態では、赤外線の大部分がガラスを透過して感知器に戻ってきます。しかし、雨粒が付着すると、赤外線の反射の仕方が変わります。雨粒の大きさや量に応じて、反射する赤外線の量が変化するのです。この変化を感知器が捉え、雨の降り具合を判断します。 雨粒感知器は、この赤外線の反射具合の変化を、電気信号に変換します。そして、この電気信号を車の制御装置に送ります。制御装置は、受け取った信号に基づいてワイパーの動作速度を調整します。小雨の場合はワイパーがゆっくりと動き、大雨の場合はワイパーが速く動きます。また、雨の量が非常に少ない場合は、ワイパーが間を置いて動く間欠動作をします。 このように、雨粒感知器は、雨の降り具合を正確に感知し、ワイパーの動作を自動的に制御することで、運転者の負担を軽減します。運転者は、雨の日に窓を拭く操作を気にすることなく、運転に集中することができます。まるで雨粒のささやきを聞いているかのような、この精密な感知能力のおかげで、安全な運転が実現するのです。雨の日の運転も、快適で安心なものになります。