電気分解

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過充電とガッシング:電池寿命を守る秘訣

電池を充電する時、まるで湯が沸くように泡立つ現象を見たことはありませんか?これを「ガッシング現象」と呼びます。電池内部で何が起こっているのか、詳しく見ていきましょう。 電池には、電気を蓄えるための液体が使われています。これを電解液と言います。充電中に電圧が一定以上になると、この電解液に含まれる水が分解され始めます。水は、水素と酸素という二つの気体からできています。充電によって、この水素と酸素が気体の泡となって発生するのです。これが、まるで沸騰しているように見えるガッシング現象の正体です。 ガッシング現象は、主に「ベント型電池」と呼ばれる種類の電池で見られます。ベント型電池は、発生した気体を外部に逃がすための穴が空いています。この穴のおかげで、電池内部の圧力が上がりすぎるのを防いでいるのです。もし、この穴がなく、電池が完全に密閉されていたら、発生した気体で内圧が上がり、電池が破裂する危険性があります。ベント型の電池は、安全のためにこのような仕組みになっているのです。 しかし、ガッシング現象が激しく起こり続けると、電解液の量が減ってしまいます。電解液は電池の大切な構成要素なので、量が減ると電池の性能が低下し、寿命が短くなってしまいます。また、発生した水素ガスは可燃性なので、火気に近づけると危険です。安全に電池を使い続けるためには、ガッシング現象を理解し、適切な充電を行うことが大切です。充電器の説明書をよく読んで、正しい方法で充電するように心がけましょう。過充電はガッシング現象を促進させるので、特に注意が必要です。充電が完了したら、すぐに充電器から外すようにしましょう。
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電解質と車の関わり

水に溶かすと電気を通すようになる物質、それが電解質です。物を水に溶かすと、プラスの電気を持つ小さな粒とマイナスの電気を持つ小さな粒に分かれるものがあります。これらをイオンといいます。イオンは水の中を自由に動き回ることができ、このイオンの動きによって電気が流れるのです。 例えば、食塩と砂糖を水に溶かしてみましょう。食塩水は電気をよく通しますが、砂糖水はほとんど電気を通しません。これは、食塩が水に溶けるとプラスのナトリウムイオンとマイナスの塩化物イオンに分かれる電解質であるのに対し、砂糖は水に溶けてもイオンにならないためです。イオンにならない物質は非電解質と呼ばれます。このように、物質が電解質か非電解質かによって、水溶液が電気を通すかどうかが決まります。 電解質は私たちの生活の様々な場面で活躍しています。例えば、体液にはナトリウムイオンやカリウムイオンなどの電解質が含まれており、体の機能を維持するために重要な役割を果たしています。また、スポーツドリンクなどにも電解質が含まれており、運動中の水分や電解質の補給に役立ちます。 さらに、工業製品にも電解質は欠かせません。電池は電解質を使って電気エネルギーを発生させており、私たちの生活に欠かせない様々な機器を動かしています。他にも、金属の表面を美しくしたり、錆を防いだりするめっきや、物質を分解したり、新しい物質を作ったりする電気分解など、電解質は様々な用途で利用されています。特に、近年注目を集めている電気自動車のバッテリーには電解質が不可欠です。より高性能な電池を開発するためには、新しい電解質の研究が重要となっています。未来の技術革新を支えるためにも、電解質の研究はますます重要性を増していくでしょう。