電流

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機能

車の心臓、発電機の仕組み

車は、燃料を燃やして走るだけでなく、様々な電気機器も使います。夜道を照らす明かり、暑い日に涼むための冷房、道案内をしてくれる装置など、これらはすべて電気で動いています。安定した電気を供給する役目を担っているのが、発電機です。発電機は、別名「交流発電機」とも呼ばれます。エンジンの回転を利用して、交流の電気を作り出します。 発電機が作る電気は、二つの大切な役割を担っています。一つ目は、車のバッテリーを充電することです。バッテリーは、エンジンを始動させる時や、発電機が十分な電気を作り出せない時に、電気を供給する大切な役割を持っています。発電機が常にバッテリーを充電することで、バッテリーは常に満タンの状態を保ち、必要な時に電気を供給できるようになっています。二つ目は、車の様々な電気機器に直接電気を供給することです。ヘッドライトやエアコン、カーナビなどは、発電機から直接電気を供給されて動いています。エンジンがかかっている時は、発電機がこれらの機器に必要な電気を常に供給しています。 発電機は、エンジンの回転を利用して電気を作り出す巧みな仕組みを持っています。エンジンが回転すると、発電機内部のコイルが回転し、磁界の変化によって電気が発生します。この電気は交流なので、車の電気系統で使える直流に変換されます。このようにして作られた電気は、バッテリーに蓄えられたり、車の様々な電気機器に送られたりします。発電機がなければ、車は電気機器を使うことができず、夜の運転や暑い日の快適な運転も難しくなります。まさに発電機は、車の電気系統の心臓部と言える重要な部品なのです。
EV

車の心臓部、導体の役割

車は、ガソリンや電気といった力の源を使って動きます。その力をうまく使うためには、電気の流れをきちんと整えることがとても大切です。電気の通り道となるのが、電気を通す物質、すなわち導体です。車は、様々な場所で導体を使い、電気の通り道を確保しています。 夜道を照らすヘッドライト、エンジンをかける時、暑い夏に涼しい風を送るエアコン、道案内をしてくれるカーナビゲーション、これらは全て導体を通して電気が流れることで初めて役に立ちます。導体がなければ、車はただの鉄の塊と変わりません。 車の中で電気の通り道となる導体は、主に銅線が使われています。銅は電気を通しやすく、加工もしやすいので、様々な形に変えて車の中に張り巡らされています。細い線から太い線まで、電気を使う場所に合わせた太さの銅線が選ばれ、電気を確実に送ります。 エンジンルームの中には、特に太い導体があります。エンジンをかけるスターターモーターは大きな力が必要なので、たくさんの電気を一度に送る必要があります。そのため、太い導体を使って、必要な電気を確実に供給することで、スムーズにエンジンを始動させることができます。 また、電気を使う場所には、必ずと言っていいほどヒューズと呼ばれる安全装置が付いています。ヒューズは、電気が流れすぎると熱で溶けることで回路を遮断し、車を守る役割を果たします。もしヒューズがなければ、電気が流れすぎて配線が熱くなり、火災につながる危険性があります。このように、導体は電気の通り道として重要なだけでなく、安全に電気を流すためにも工夫されているのです。現代の私たちの生活に欠かせない車にとって、導体はまさに血管のような存在と言えるでしょう。
エンジン

車の心臓部、始動の要:冷間始動電流

車のエンジンを始動させるには、スターターと呼ばれるモーターを回す必要があります。このスターターを回すための電気はバッテリーから供給されます。しかし、気温が低い冬場などはエンジンオイルが硬くなり、エンジン内部の抵抗が増加します。この抵抗に打ち勝ってエンジンを始動させるには、大きな電力が必要となります。 この時にスターターに流れる大きな電流のことを「冷間始動電流」と言います。冷間始動電流の単位はアンペア(A)で表され、バッテリーの性能を示す重要な指標の一つです。冷間始動電流の値が大きいバッテリーは、より強力なスターターモーターを回すことができるため、気温が低い環境でもスムーズにエンジンを始動させることができます。 一方、冷間始動電流の値が小さいバッテリーでは、エンジンオイルが硬くなった際にスターターを十分に回すことができず、エンジンが始動しにくくなります。何度も始動を試みることでバッテリーの電力が消費され、最終的にはバッテリー上がりに繋がることもあります。特に寒冷地では、冷間始動電流の大きなバッテリーを選ぶことが重要です。 冷間始動電流の値はバッテリーに記載されているので、バッテリーを選ぶ際には必ず確認するようにしましょう。また、同じ車種でも搭載されているエンジンの種類によって必要な冷間始動電流の値が異なる場合があります。取扱説明書を確認するか、販売店に相談することで、自分の車に適した冷間始動電流のバッテリーを選ぶことができます。適切なバッテリーを選ぶことで、冬の寒い朝でも安心してエンジンを始動させることができます。
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車の充電:電気自動車の心臓部

車は、走るために電気が必要です。この電気は、電池に蓄えられます。この電池に電気を送ることを充電といいます。 ガソリンで走る車の場合、エンジンで動く発電機で電気が作られ、電池に送られます。エンジンが動いている限り、発電機も動き続け、電池は常に充電されている状態です。ですから、ガソリンで走る車は、特別な充電作業は基本的に必要ありません。 一方、電気だけで走る車の場合、外の電源から電池に直接電気を送る必要があります。家のコンセントや、電気自動車専用の充電設備を利用するのが一般的です。家のコンセントは誰でも手軽に利用できますが、充電に時間がかかります。専用の充電設備は、速く充電できますが、設置場所が限られています。 また、電気自動車の中には、ブレーキを踏んだり、坂道を下る時に発生するエネルギーを使って電池を充電する仕組みを持っているものもあります。これは、回生ブレーキと呼ばれ、無駄なエネルギーを電気に変えることで、電気を効率的に使うための大切な技術です。 電池は、電気を一定方向に流す直流という方法で電気を蓄えます。しかし、家のコンセントなどから供給される電気は、電気が行ったり来たりする交流です。ですから、充電するためには、交流の電気を直流に変換する必要があります。この変換作業は、充電器の中で行われます。 充電にかかる時間は、電池の大きさや、充電器の能力、充電方法によって大きく変わります。短いもので数十分、長いものでは数時間かかります。