静止摩擦

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摩擦係数:車の走りを左右する重要な要素

物は、他の物に触れながら動いたり、動こうとしたりする時、必ず抵抗を感じます。この抵抗を摩擦と言い、摩擦によって生じる力を摩擦力と言います。摩擦は、私たちの身の回りで常に起こっており、物を動かす上で重要な役割を果たしています。例えば、平らな場所に置かれた重い箱を動かそうと考えると、最初のうちはなかなか動きません。これは、箱と床の間で静止摩擦力が働いているからです。静止摩擦力は、物が動き始めるのを妨げる力です。力を加え続けると、やがて箱は動き始めます。この時、静止摩擦力の限界を超えたことになります。 一度箱が動き始めると、今度は同じ速度で動かし続けるために、力を加え続けなければなりません。これは、箱と床の間で運動摩擦力が働いているからです。運動摩擦力は、動いている物にブレーキをかけるように作用する力です。運動摩擦力は静止摩擦力よりも小さいため、動き始めた箱を同じ速度で動かし続ける方が、静止している箱を動かすよりも小さな力で済みます。 自動車においても、摩擦は重要な役割を担っています。例えば、タイヤと路面の間の摩擦がなければ、車は前に進むことができません。タイヤが地面を蹴ることで発生する摩擦力が、車を前進させる駆動力となります。ブレーキをかけたときも、摩擦力が重要になります。ブレーキパッドとブレーキローター、そしてタイヤと路面の間の摩擦によって、車は減速し、停止することができます。また、カーブを曲がるときも、タイヤと路面の間の摩擦がなければ、車は横に滑ってしまいます。このように、摩擦は自動車の安全な走行に欠かせない要素なのです。