駆動しない車軸:デッドアクスルの役割
動く力を持たない車軸、それが「死んだ車軸」という意味を持つデッドアクスルです。文字通り、エンジンの力は伝わりません。しかし、ただ車輪を支えているだけではありません。車体の重さをしっかりと地面に伝え、安定した走行を助ける重要な役割を担っています。縁の下の力持ちという言葉がぴったりです。
例えば、前輪で地面を蹴って進む前輪駆動の車の場合、後輪はデッドアクスルです。反対に、後輪で地面を蹴って進む後輪駆動の車では、前輪がデッドアクスルになります。四輪駆動の車でも、常に四つの車輪全てにエンジンの力が伝わるわけではありません。走る場所の状態に合わせて、二つの車輪だけに力を送る車もあります。こういう車の場合、力が伝わらない二つの車軸はデッドアクスルになります。
デッドアクスルには、車輪の位置を定め、車体を支えるという大切な仕事があります。もしデッドアクスルがなければ、車は安定して走ることができません。左右に揺れたり、傾いたりしてしまいます。また、乗り心地にも大きく影響します。デコボコ道を走る時、デッドアクスルが衝撃を吸収してくれるので、乗っている人は快適に過ごせるのです。
このように、デッドアクスルは駆動方式に関わらず、全ての車に必要不可欠なものです。普段は目に見えない場所で車の安定性と快適性を支える、重要な部品なのです。車の種類や、エンジンの力を伝える仕組みによって、デッドアクスルの役割も少しずつ変わります。しかし、車輪を支え、車体を安定させるという、その根本的な役割は変わりません。