駆動抵抗

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駆動系

転がり抵抗モーメントを詳しく解説

車は、前に進むために様々な抵抗に打ち勝つ必要があります。その中でも、タイヤが路面と接することで生まれる抵抗は大きな割合を占めます。この抵抗は、前に進む動きを妨げる力だけでなく、タイヤの回転軸周りの回転を妨げる方向にも働きます。この回転を妨げる力のことを「転がり抵抗モーメント」と言います。 車がスムーズに走るためには、エンジンが生み出す力でこのモーメントに打ち勝つ必要があります。もし転がり抵抗モーメントが大きければ大きいほど、エンジンはより大きな力を出さなければならず、結果として燃費が悪くなります。逆に、転がり抵抗モーメントが小さければ、少ない力で車を走らせることができるため、燃費が向上します。 では、この転がり抵抗モーメントはどのように発生するのでしょうか。主な要因は三つあります。一つ目はタイヤの変形です。タイヤは路面と接する部分で変形しますが、この変形を繰り返す際にエネルギーが失われ、抵抗となります。二つ目は路面との摩擦です。路面が平らであっても、微細な凹凸が存在し、それがタイヤとの摩擦を生み出します。三つ目はタイヤ内部の摩擦です。タイヤ内部のコードやゴムなどの素材が変形する際に、摩擦が発生します。これらの要因が複雑に絡み合い、転がり抵抗モーメントが生じます。 タイヤの空気圧や、タイヤの材質、路面の状況など、様々な要素が転がり抵抗モーメントの大きさに影響を与えます。転がり抵抗モーメントを小さくする、つまり抵抗を減らすタイヤの開発は、自動車メーカーにとって燃費向上を実現するための重要な課題の一つです。また、ドライバーとしても、適切な空気圧を維持することで、転がり抵抗を小さくし、燃費向上に貢献することができます。