音の大きさの単位、デシベル
私たちは暮らしの中で、実に様々な音を耳にしています。小鳥のさえずり、風のそよぎ、車が走る音、そして人と話す声など、音は私たちの生活にはなくてはならないものです。これらの音はそれぞれ大きさ、高さ、そして音色が違い、私たちはそれを聞き分けることで周りの様子を理解しています。音の大きさとは、簡単に言うと音の強弱のことです。太鼓を強く叩けば大きな音が出ますが、優しく叩けば小さな音が出ます。これは、太鼓の皮の振動の大きさが関係しています。音は空気の振動によって伝わりますが、大きな音は空気の振動が大きく、小さな音は空気の振動が小さいのです。この空気の振動の大きさを「振幅」と言い、音の大きさは、この振幅の大きさで決まります。振幅が大きいほど、音は大きく聞こえます。私たちが音を聞くとき、耳の鼓膜は空気の振動を受け取って震えます。この鼓膜の震えが脳に伝わって、私たちは音を認識するのです。大きな音は鼓膜を大きく震わせ、小さな音は鼓膜を小さく震わせます。例えば、雷のような大きな音は鼓膜を強く刺激するため、時には痛みを感じることがあります。逆に、ささやき声のような小さな音は、鼓膜への刺激が弱いため、聞き取るのが難しい場合もあります。このように音の大きさは、私たちの耳への刺激の強さ、つまり鼓膜の振動の大きさによって感じ取られるもので、私たちの聞こえ方に直接影響を与える大切な要素です。この音の大きさを数値で表すために、「デシベル」という単位が使われています。静かな部屋では30デシベル程度、普通の会話は60デシベル程度、電車の車内は80デシベル程度とされています。100デシベルを超えると、うるさく感じたり、不快に感じたりすることがあります。