滑らかな回転:2ローターロータリーエンジンの魅力
車は、動力を生み出す心臓部となる機関によって動きます。機関には様々な種類がありますが、その中で独特な仕組みを持つのが回転機関です。回転機関は、三角形の形をした回転子がおむすび型をした空間の中をぐるぐると回ることで動力を生み出します。よく見られる piston(ピストン)機関のように、上下運動を回転運動に変える必要がないため、構造が単純で軽く仕上がるという利点があります。
回転機関の中でも、二つの回転子を持つものを二枚羽根回転機関と呼びます。二枚羽根回転機関は、回転子を二つ備えることで、より滑らかな回転を実現しています。回転子は、おむすび型の空間の内壁に沿って回転しながら、空気を吸い込み、圧縮し、燃料を燃やし、燃えかすを吐き出す、という一連の動作を連続的に繰り返します。まるで生き物が呼吸するように、吸気、圧縮、燃焼、排気の四つの工程をスムーズに行うことで、滑らかで力強い回転を生み出します。この独特の動きが、回転機関特有の滑らかな加速感と静かな運転につながります。
回転機関は、その独特な構造から、他の機関にはない個性的なエンジン音を奏でます。まるで機械が歌っているかのような、独特の音色は、多くの車好きを魅了してきました。しかし、燃費の悪さや排気ガス規制への対応の難しさなどから、近年では生産される車は少なくなっています。それでも、回転機関の持つ独特の仕組みと魅力は、これからも多くの人の心をつかんで離さないでしょう。