クルマの見た目|アイポイントの重要性
車を造る上で、運転する人の目の位置、つまり目線の高さはとても大切です。これは設計上の目安となる仮想の点で、専門用語では「アイポイント」と呼ばれます。人は目から得た情報をもとに運転するので、目線の高さは運転のしやすさ、心地よさ、そして安全に大きく関わってきます。
目線の高さの設定は、車の見た目だけでなく、車内の飾り付けや、運転席周辺の部品の配置など、多くの設計に影響を与えます。
例えば、目線の高さを高く設定すると、遠くまで見渡せるようになり、運転する人は周りの状況を把握しやすくなります。これは、安全な運転に欠かせない要素です。一方、目線の高さが低すぎると、視界が狭くなり、危険を察知するのが遅れる可能性があります。また、ボンネットが見えにくくなるため、車幅感覚が掴みにくくなり、運転しにくくなります。
快適さという面でも、目線の高さは重要です。適切な高さに設定することで、運転する人は無理のない姿勢で運転できます。長時間の運転でも疲れにくく、快適なドライブを楽しめます。逆に、目線の高さが合っていないと、首や肩に負担がかかり、疲れやすくなってしまいます。
さらに、車内の広々とした感じも、目線の高さに影響されます。目線の高さを適切に設定することで、車内が実際よりも広く感じられ、開放的な雰囲気を作り出すことができます。
このように、目線の高さは単なる目の位置ではなく、運転する人の視界、操作のしやすさ、心地よさを左右する、車作りにおいて大変重要な要素なのです。そのため、自動車を作る会社は目線の高さを細かく計算し、人の体の仕組みに基づいた設計を行うよう、常に工夫を重ねています。