職人技!手積み成形とは?
手積み成形は、複合材料を作る方法の一つで、文字通り人の手で材料を重ねて製品の形を作る方法です。 型となるものの上にまず樹脂を塗ります。その上に、ガラス繊維や炭素繊維といった強度を高める材料を丁寧に一枚一枚重ねていきます。この作業を何度も繰り返し、必要な厚さになるまで積み重ねることで、最終的な製品の形が出来上がります。
この方法は、まるで職人が粘土をこねて作品を作るように、人の手によって作業が行われます。そのため、機械では難しい複雑な形のものを作るのに適しています。たとえば、曲線や凹凸が多いデザインなど、機械では成形が難しい形状でも、手積み成形なら自在に対応できます。また、大きな設備を必要としないため、初期費用が少なく済むという利点もあります。少量の製品を作る場合でも、費用を抑えながら製造することが可能です。そのため、試作品や少量生産に最適な方法と言えるでしょう。
一方で、手積み成形は作業する人の技術によって品質が変わるという欠点もあります。 熟練した作業者であれば高い品質の製品を作ることができますが、経験の浅い作業者では同じ品質を保つことが難しい場合があります。また、人の手で行う作業のため、大量生産には向いていません。一つ一つ丁寧に作る必要があるため、どうしても時間がかかってしまい、大量の製品を短期間で作ることは難しいです。
しかし、手作業だからこそ可能な繊細な調整は、機械による自動化では決して真似できない独特の仕上がりを生み出します。そのため、高い品質と独特の風合いが求められる高級なスポーツカーや飛行機の部品などにも使われています。まさに、職人の技が光る製造方法と言えるでしょう。