CVT

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駆動系

プーリー比を理解する

回転する円盤、つまり滑車を使うと、動力を伝えることができます。この滑車の組み合わせで力をどのように伝えるか、それを表すのが滑車比です。滑車比は、動力を伝える側の滑車の直径を、動力を受ける側の滑車の直径で割って求めます。この値は、回転の速さと回転させる力の関係を理解する上でとても重要です。 例えば、滑車比が2の場合を考えてみましょう。これは、動力を伝える側の滑車の直径が、動力を受ける側の滑車の直径の2倍であることを意味します。この時、動力を伝える側の滑車が1回転すると、動力を受ける側の滑車は半回転しか回りません。つまり、回転の速さは半分になります。これは、動力を受ける側の滑車が、動力を伝える側の滑車より大きいからです。大きな滑車を回すには、より多くの力が必要となるため、回転が遅くなるのです。 しかし、回転の速さが半分になる代わりに、回転させる力は2倍になります。回転が遅くなることで、その分大きな力を生み出すことができるのです。これは、自転車のギアを変えるのと同じ原理です。重い荷物を積んだ自転車で坂道を登る時、ペダルを漕ぐのは大変です。そこでギアを軽くすると、ペダルを漕ぐのは楽になりますが、ペダルを漕ぐ速さに比べて自転車の進む速さは遅くなります。逆に、ギアを重くすると、ペダルを漕ぐのは大変になりますが、少ない回転数で自転車を速く進めることができます。 このように、滑車比を変えることで、回転の速さと回転させる力のバランスを調整することができます。滑車の大きさの組み合わせを工夫することで、目的に合わせた動力の伝達が可能になるのです。重いものをゆっくり持ち上げるクレーンや、素早く動く必要がある機械など、様々な場面で滑車は活躍しています。