車のコンバーター:役割と仕組み
電気を種類を変える道具、それが変換器です。変換器は、電気が流れる向きと強さが常に一定の直流と、向きと強さが周期的に変化する交流、この二つの種類の電気を相互に変換する役割を担っています。
身近なもので例を挙げると、乾電池は直流の代表例です。乾電池はプラス極とマイナス極が決まっており、常に一定の向きに電気を流します。一方、家庭にあるコンセントから供給される電気は交流です。交流は一定の周期で向きと強さが変化するため、乾電池のようにプラス極とマイナス極という考え方はありません。
この二つの異なる種類の電気を、用途に応じて自在に変換するのが変換器の働きです。例えば、携帯電話やパソコンなどは直流で動きますが、家庭用コンセントから供給される電気は交流です。そこで、コンセントに接続する充電器の中に変換器が組み込まれており、交流を直流に変換することでこれらの機器を充電することができます。
自動車においても変換器は欠かせない存在です。自動車のバッテリーは直流で電気を蓄えますが、ヘッドライトやパワーウィンドウ、カーオーディオなど、様々な装置が交流で動く場合もあります。このような場合に、バッテリーからの直流を交流に変換するために変換器が用いられます。また、ハイブリッド車や電気自動車では、モーターを制御するために高度な変換技術が活用されています。
変換器は、現代社会の様々な場面で活躍する縁の下の力持ちと言えるでしょう。私たちの生活を支える電子機器や自動車の進化を陰で支えている重要な技術なのです。