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駆動系

遠隔操作で変わる運転体験

遠隔制御とは、離れた場所から機械や装置を操作する技術のことです。まるで魔法の杖を振るうように、遠くから意のままに物を動かすことを想像してみてください。自動車においても、この遠隔制御は様々な場面で活躍しています。 例えば、運転席にあるシフトレバーを考えてみましょう。シフトレバーを操作することで、車の速度を変えることができます。しかし、シフトレバーと実際にギアを変える変速機は、必ずしも直接繋がっているわけではありません。多くの車では、この二つの間には、ロッドやワイヤーケーブルといった部品が介在しています。つまり、シフトレバーを操作すると、これらの部品を介して間接的に変速機が操作されるのです。これが自動車における遠隔制御の一例です。 近年の車は、様々な部分が電子制御化されています。シフトレバーの操作も、電気信号によって変速機に伝えられる車種が増えてきました。しかし、機械的な部品による遠隔制御も、多くの車種で現役として活躍しています。特に、自分でギアを変える操作を楽しめるマニュアル車では、シフト操作の手応えや反応の速さは、運転する喜びに直結します。このため、機械的な遠隔制御方式も改良が重ねられ、滑らかで心地良い運転を実現するために重要な役割を果たしています。 自動で運転する技術や運転を助ける仕組みなど、自動車の技術は日々進歩しています。その中で、遠隔制御は運転操作をより快適にするための大切な技術と言えるでしょう。直接操作するのではなく、間接的に操作することで、様々な利点が生まれます。例えば、操作性を向上させたり、部品の配置の自由度を高めたりすることが可能になります。今後も、自動車技術の進化と共に、遠隔制御技術も更なる発展を遂げていくことでしょう。
エンジン

車の心臓、エンジンの重量について

車を語る上で、心臓部とも言える機関の重さは大切な要素です。機関の重さは、大きく分けて整備時重さと乾燥時の重さの二種類があります。整備時重さとは、機関油や冷やし水など、実際に機関が動くために必要な液体が満たされた状態での重さのことです。整備時重さで測ることで、実際に車に搭載された状態での重さを把握できます。つまり、車がどれだけの重さを支え、動かす必要があるのかを理解するのに役立ちます。 一方、乾燥時の重さは、これらの液体を抜いた状態での重さです。一般的に「機関重さ」とだけ言う場合は、この乾燥時の重さを指すことが多いです。乾燥時の重さは、機関そのものの重さを知るのに役立ちます。素材や部品構成、製造方法など、機関の設計思想が反映されるため、技術的な観点から比較検討する際に重要となります。 例えば、同じ排気量でも、乾燥時の重さが軽い機関は、より高度な技術が使われている可能性が高いと言えるでしょう。材料の工夫や部品点数の削減など、様々な努力が重ねられているからです。 しかし、競技用自動車の世界では、空気の吸入や排出に関わる部品、電気を作る装置などを除いた、機関本体だけの重さを指す場合もあります。このように、機関の重さは状況によって定義が異なるため、注意が必要です。それぞれ重さの種類が何を意味するのかを理解することで、より正確に機関の性能を評価することができます。例えば、カタログに記載されている機関の重さが整備時なのか乾燥時なのかを確認することで、他の車と正しく比較することができます。また、競技用自動車の設計者は、乾燥時の重さを基準に軽量化を図ることで、より速く走る車を開発することができます。
エンジン

燃料噴射の進化:エアアシストインジェクター

自動車の心臓部であるエンジンでは、燃料をいかにうまく燃やすかが、燃費の良さや排気ガスのきれいさ、ひいては環境への優しさに直結します。燃料をうまく燃やすためには、燃料と空気をしっかりと混ぜ合わせることが重要です。そのための装置が燃料噴射装置で、空気を使った燃料噴射装置は、燃料を霧のように細かくすることで、燃焼効率を飛躍的に高める技術として注目を集めています。 空気を使った燃料噴射装置は、燃料を噴射する部分の近くに空気を送り込んだり、ぶつけたりすることで、燃料を細かい粒に変えます。霧吹きで水を噴射するときに、空気を一緒に吹き出すことで細かい霧が作られるのと同じ原理です。このようにして燃料を霧状にすることで、空気と燃料がより均一に混ざり合うようになります。 まるで霧のように細かくした燃料と空気がしっかりと混ざり合うことで、燃焼がよりむらなく、そして完全に近い状態で行われるようになります。これは、従来の燃料噴射方法と比べて、燃費が良くなるだけでなく、排気ガスもきれいになるという大きな利点があります。不要な燃料の燃え残りが少なくなるため、排気ガスに含まれる有害物質を減らすことができるのです。 さらに、燃料を霧状にすることで、エンジンの出力向上にも繋がります。燃料が空気とよく混ざり合うことで、より多くの燃料を一度に燃やすことができるようになり、エンジンのパワーを高めることができるのです。このように、空気を使った燃料噴射装置は、自動車の性能向上に大きく貢献する重要な技術と言えるでしょう。
カーナビ

進化する車内エンタメ:エレクトロマルチビジョン

運転席周りの様々な機器をまとめて操作できる、まるで何でも屋さんみたいな装置、それが統合制御装置です。トヨタの高級車種に搭載されているこの装置は、通称「統合制御装置」と呼ばれ、これまで別々に操作していたカーナビやテレビ、ラジオ、音楽再生装置、冷暖房装置などを一つの画面でまとめて操作できる画期的な仕組みです。 従来は、それぞれの機器ごとに操作ボタンや表示画面がバラバラに配置されており、運転中に複数の機器を操作するのは大変面倒でした。例えば、カーナビを見ながら音楽を変えたり、冷暖房の温度を調整したりする度に、視線をあちこちに動かす必要があり、運転への集中を妨げる原因にもなりかねませんでした。しかし、この統合制御装置のおかげで、全ての操作が一つの画面に集約され、視線の移動や操作の手間が大幅に軽減されました。 この統合制御装置の凄いところは、単に複数の機器をまとめて操作できるだけでなく、それぞれの機器を連携させて、より快適な環境を作り出せる点です。例えば、カーナビの情報と連動して、トンネルに入った時に自動的に冷暖房装置を内気循環に切り替える、といったことも可能です。外の空気を取り込む外気導入にしていると、トンネル内の排気ガスが車内に入ってきてしまう可能性がありますが、内気循環に切り替えることで、それを防ぐことができます。また、渋滞情報を取得して、それに応じて冷暖房の温度や風量を自動調整する、といったことも考えられます。 このように、統合制御装置は、単に機器をまとめるだけでなく、複数の機器を連携させることで、ドライバーにとってより安全で快適な運転環境を提供してくれる、まさに「縁の下の力持ち」と言えるでしょう。今後も技術の進歩とともに、更なる進化が期待されます。