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カーナビ

進化する車内エンタメ:エレクトロマルチビジョン

運転席周りの様々な機器をまとめて操作できる、まるで何でも屋さんみたいな装置、それが統合制御装置です。トヨタの高級車種に搭載されているこの装置は、通称「統合制御装置」と呼ばれ、これまで別々に操作していたカーナビやテレビ、ラジオ、音楽再生装置、冷暖房装置などを一つの画面でまとめて操作できる画期的な仕組みです。 従来は、それぞれの機器ごとに操作ボタンや表示画面がバラバラに配置されており、運転中に複数の機器を操作するのは大変面倒でした。例えば、カーナビを見ながら音楽を変えたり、冷暖房の温度を調整したりする度に、視線をあちこちに動かす必要があり、運転への集中を妨げる原因にもなりかねませんでした。しかし、この統合制御装置のおかげで、全ての操作が一つの画面に集約され、視線の移動や操作の手間が大幅に軽減されました。 この統合制御装置の凄いところは、単に複数の機器をまとめて操作できるだけでなく、それぞれの機器を連携させて、より快適な環境を作り出せる点です。例えば、カーナビの情報と連動して、トンネルに入った時に自動的に冷暖房装置を内気循環に切り替える、といったことも可能です。外の空気を取り込む外気導入にしていると、トンネル内の排気ガスが車内に入ってきてしまう可能性がありますが、内気循環に切り替えることで、それを防ぐことができます。また、渋滞情報を取得して、それに応じて冷暖房の温度や風量を自動調整する、といったことも考えられます。 このように、統合制御装置は、単に機器をまとめるだけでなく、複数の機器を連携させることで、ドライバーにとってより安全で快適な運転環境を提供してくれる、まさに「縁の下の力持ち」と言えるでしょう。今後も技術の進歩とともに、更なる進化が期待されます。