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安全

クルマの衝突安全性:乗員を守る技術

交通事故は、私たちの暮らしの中でいつ、どこで、誰に降りかかるか予測できない恐ろしい出来事です。天気の良い日に、見通しの良い道路を走行中でも、不注意な運転者や予期せぬ飛び出しなどにより、一瞬で事故に巻き込まれる可能性はゼロではありません。だからこそ、万が一の衝突に備えて、乗員を守るための安全対策が何よりも重要になってきます。 自動車の衝突安全性能とは、まさにこの点に着目した技術であり、事故発生時の乗員の生存率向上と傷害の軽減を目的としています。強い衝撃から乗員を守るためには、頑丈な車体構造が不可欠です。衝突時に衝撃を効果的に吸収・分散するように設計された車体は、乗員へのダメージを最小限に抑えることができます。また、シートベルトやエアバッグなどの安全装置も、衝突時の衝撃から乗員を守る上で重要な役割を果たします。シートベルトは乗員を座席に固定し、車外への放出や車内での激しい衝突を防ぎます。エアバッグは、衝突時の衝撃を吸収することで、頭部や胸部へのダメージを軽減します。これらの安全装置は、車体構造と連携して乗員の安全を守ります。 安全な車を選ぶことは、自身や家族の命を守る上で欠かせない要素です。近年、技術の進歩により衝突安全性能は飛躍的に向上し、様々な安全技術が開発されています。しかし、どれだけ安全性能の高い車であっても、事故を完全に防げるわけではありません。交通事故による死傷者は依然として多く、私たちは衝突安全の重要性を改めて認識し、安全運転を心がけるとともに、安全性能の高い車を選ぶ必要があるのです。日頃から交通安全を意識し、安全な車を選ぶことで、大切な命を守りましょう。
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車の安全評価:NCAP

新しい車を同じ条件で試験し、安全性を評価して点数をつける仕組みがあります。これを新しい車評価計画といいます。この仕組みは、衝突の安全性を試す試験結果を広く知らせることを主な目的としています。おかげで、車を買う人が安全な車を選ぶための大切な目安となっています。この仕組みは、1979年にアメリカで始まり、今では世界中の多くの国で行われています。日本では1995年から自動車評価という名前でこの仕組みが使われ始め、今では私たちの身近なものとなっています。 新しい車評価計画では、様々な試験を通して安全性を様々な角度から評価しています。例えば、実際に車を衝突させる試験や、人が乗っていない状態で様々な装置を動かして安全性を確かめる試験などがあります。衝突試験では、正面衝突や側面衝突、電柱などへの衝突、追突された時の安全性などを調べます。人が乗っていない状態で行う試験では、エアバッグやシートベルトなどの安全装置が正しく作動するかなどを確認します。さらに、事故を未然に防ぐための自動ブレーキなどの性能についても試験が行われています。これらの試験結果を点数化することで、どの車がより安全なのかが分かりやすくなります。 新しい車評価計画は、車を作る会社がより安全な車を作るように促す役割も担っています。試験結果が良い車は高く評価され、消費者に選ばれやすくなります。逆に、結果が悪い車は消費者に敬遠されるため、車を作る会社は安全性を高めるための技術開発に力を入れるようになります。このように、新しい車評価計画は、車全体の安全性を向上させる上で重要な役割を果たしているといえます。