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駆動系

電気自動車の原動力:車載モーター

車に搭載される電動機、いわゆる車載電動機は、電気自動車の心臓部と言える重要な部品です。電気自動車の走る力を生み出す動力源であり、ガソリン車のエンジンに相当する役割を担っています。タイヤの回転軸に直接電動機を組み込む方式もありますが、現在主流となっているのは、この車載電動機方式です。 車載電動機方式では、電動機を車体に固定し、そこから伸びる歯車や軸などを介してタイヤを回転させます。タイヤの中に電動機を組み込む方式と比べると、いくつかの利点があります。まず、電動機の冷却が容易になります。電動機は作動中に発熱するため、冷却が不可欠ですが、車体に固定されていることで、冷却装置の設置や空気の流れを利用した冷却が容易になります。また、整備のしやすさも大きなメリットです。タイヤ内部に設置された電動機は整備が難しく、故障時の交換も大掛かりな作業になりますが、車載電動機であれば容易に点検や修理ができます。さらに、製造コストの面でも有利です。 車載電動機方式は、車両設計の自由度を高めることにも貢献します。電動機の搭載位置を比較的自由に選べるため、車両の前後重量配分を最適化し、走行安定性を向上させることができます。また、タイヤへの直接的な負担を減らすことができるため、乗り心地の向上にも繋がります。路面からの衝撃を電動機が直接受けることが少なくなるため、サスペンションへの負担が軽減され、より滑らかな乗り心地を実現できます。これらの利点から、現在市販されている多くの電気自動車で車載電動機方式が採用されています。今後、電気自動車の普及が進むにつれて、車載電動機の技術もさらに進化していくことでしょう。