PHEV

記事数:(4)

EV

車の心臓部、整流器の役割

車は、様々な電気仕掛けの機器で溢れています。明るい照明、心地よい温度を保つ冷暖房、道案内をしてくれる地図表示装置など、これらは全て直流電力で動いています。しかし、車の発電機は交流電力を作り出します。そこで、整流器の出番です。整流器は、交流電力を直流電力に変換する、いわば電気の変換装置です。発電機で作られた電力は、まず整流器に送られます。整流器の中には、電流の流れを一方通行にするダイオードと呼ばれる部品が複数組み込まれており、これらが交流電力の波形をプラスの値だけに整えます。こうして、プラスとマイナスが交互に入れ替わる交流電力が、プラス方向へ一定に流れる直流電力に変換されるのです。変換された直流電力は、車のバッテリーに蓄えられます。バッテリーは、エンジンが停止している時でも、各機器に電気を供給する役割を担っています。また、整流器はバッテリーへの過充電も防ぎます。バッテリーが必要とする以上の電力が供給されると、バッテリーは劣化したり、最悪の場合、破損してしまう可能性があります。整流器は、バッテリーの充電状態を監視し、必要以上の電力が流れないように制御することで、バッテリーの寿命を延ばします。整流器が正常に働いていなければ、電装品は正しく作動しません。快適な運転はもちろん、安全な運転にも支障をきたす可能性があります。普段は目に触れることはありませんが、整流器は車の電気系統を支える重要な部品なのです。
ハイブリッド

環境に優しい未来の車:ハイブリッド電気自動車

地球に優しい車を作るための工夫は、大きく分けて二つあります。一つは、ガソリンをなるべく使わずに走るための工夫です。もう一つは、排気ガスをきれいにするための工夫です。 まず、ガソリンを使わずに走る工夫について説明します。最近よく耳にする「組み合わせ駆動車」は、電気で動く機械仕掛けと、ガソリンで動く機械仕掛けの両方を積んでいます。この二つの機械仕掛けをうまく組み合わせることで、ガソリンの消費を抑えることができます。例えば、車が動き出す時や、ゆっくり走る時は、電気の機械仕掛けだけで走ります。電気の機械仕掛けは、ガソリンを使わないので、排気ガスも出しません。また、ブレーキを踏んで車を減速させる時、生まれる力を電気に変えて、電池にためる仕組みも持っています。このため、減速する時に捨ててしまうエネルギーを再利用できます。 次に、排気ガスをきれいにする工夫について説明します。排気ガスには、体に良くない成分が含まれています。そこで、排気ガスをきれいにする装置を取り付けて、有害な成分を減らしています。この装置は、複雑な構造をしていて、排気ガスの中の有害な成分を化学変化させて、無害なものに変えることができます。 これらの工夫によって、地球に優しい車を作ることが可能になっています。組み合わせ駆動車は、ガソリンを使う量を減らすだけでなく、静かで滑らかな走り心地も実現しています。街中を静かに、快適に走ることができるので、環境にも人にも優しい車と言えるでしょう。地球環境を守るために、車の技術はこれからも進化していくでしょう。
ハイブリッド

燃費向上と環境性能を両立 パラレルハイブリッド車

二つの動力源を持つ車を、組み合わせ駆動車と呼びます。これは、燃料を燃やして動く原動機と、電気を用いる電動機、この二つの動力を組み合わせて車を走らせる仕組みです。 原動機は、ガソリンや軽油といった燃料を燃やすことで力を生み出します。燃料を燃やすことで発生する高い熱エネルギーを、運動エネルギーへと変換し、車を動かすのです。力強い走りや長距離の走行を得意としています。 一方、電動機は電気を用いて回転し、動力を生み出します。電気エネルギーを運動エネルギーに変換する仕組みです。音や振動が少なく、滑らかな動き出しが特徴です。特に、発進時や街中での低速走行時に力を発揮します。 組み合わせ駆動車は、この二つの動力源を状況に応じて使い分けます。例えば、静かに発進したい時や、街中をゆっくり走る時は、電動機のみを使います。これにより、燃料の消費を抑え、排気ガスを減らすことができます。速度を上げたい時や、坂道を力強く登りたい時は、原動機を併用したり、原動機のみで走行します。原動機の力強い走りを活かすことで、スムーズな加速や力強い登坂を実現します。また、減速時には、運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、電動機を回して発電機のように使います。こうして生まれた電気は蓄電池に蓄えられ、再び電動機を動かすために使われます。 この動力源の切り替えは、車の状況に合わせて自動的に行われます。そのため、運転する人は意識することなく、二つの動力源の利点を最大限に活かした走りを楽しむことができるのです。
EV

未来を駆動する電池技術

近年、街中で電気で走る車や、電気とガソリンを併用する車を見かける機会が増えました。それに伴い、「リチウムイオン電池」という言葉を耳にする機会も多くなったのではないでしょうか。この電池は、従来の電池とは一体何が違うのでしょうか。それを詳しく見ていきましょう。 リチウムイオン電池は、その名の通りリチウムを使った電池です。しかし、単にリチウムを使っているだけではありません。この電池の最大の特徴は、リチウムが電気を帯びた小さな粒、つまりイオンとなって、電池の中を移動することで電気を蓄えたり、放出したりする点にあります。この仕組みこそが、従来の電池にはない様々なメリットを生み出しているのです。 例えば、昔ながらのニッケルカドミウム電池などには、人体や環境に有害な物質が含まれていました。しかし、リチウムイオン電池は環境への負担が少ないという大きな利点があります。また、同じ大きさでも多くの電気を蓄えることができるため、車のような電力を多く必要とする乗り物にも搭載することが可能になりました。さらに、軽くて小さいことも大きなメリットです。従来の電池では、同じだけの電気を蓄えようとすると、大きなサイズと重量が必要でした。しかし、リチウムイオン電池であれば小型軽量化が可能になるため、携帯電話やパソコンなど、様々な機器で利用が広がっています。 このように、リチウムイオン電池は、環境への優しさ、大きな蓄電容量、そして小型軽量といった多くの利点を兼ね備えています。まさに、これからの時代を支える、革新的な電池技術と言えるでしょう。今後も更なる改良が期待され、電気自動車やハイブリッドカーの普及を一層加速させる可能性を秘めています。