模型製作に欠かせないダイノックシート
模型作り、とりわけ車の粘土模型作りで重宝されているのがダイノックシートです。一見するとただのシートですが、樹脂の膜、接着剤、紙の三層構造が、模型作りに革新をもたらしました。
まず表面の樹脂の膜ですが、塗料の乗りが良く、まるで本物の車のような仕上がりを実現します。塗料がしっかりと膜に定着するため、重ね塗りしてもムラになりにくく、微妙な色合いも表現可能です。模型の完成度を高める上で、この特性は非常に重要です。
次に、接着剤の層は粘土模型の表面にしっかりと貼り付き、剥がれたり、ずれたりする心配がありません。模型作りでは、曲線や複雑な形状を扱うことが多く、シートが剥がれやすいと作業効率が低下してしまいます。ダイノックシートの高い密着性は、作業の円滑な進行を支え、制作者の意図を正確に形にすることを可能にします。
さらに、裏面の紙はシートの強度を高め、作業中の扱いやすさを向上させています。薄いシートは破れやすく、扱いにくいものですが、ダイノックシートは裏面の紙のおかげで、曲げたり、切ったりといった作業も容易に行えます。繊細な作業が求められる模型作りにおいて、作業性の良さは、制作者の負担を軽減し、より精巧な模型作りに集中できる環境を提供します。
このように、樹脂の膜、接着剤、紙という三層構造が生み出す様々な利点によって、ダイノックシートは、単なるシートではなく、粘土模型に本物らしさを与えるための重要な道具として、なくてはならない存在となっています。