電動デフロック:雪道や悪路での走破性を高める
冬道やぬかるんだ道での車の運転は、大変な苦労が伴います。特に、積雪やぬかるみでタイヤが空転してしまうと、身動きが取れなくなってしまうことがあります。これは、左右のタイヤの回転速度に違いが生じた際に、動力が空転しているタイヤに集中してしまうことが大きな原因です。例えば、片方のタイヤが雪に乗り上げてしまったり、深いぬかるみにハマってしまうと、そのタイヤは抵抗が少なくなり、容易に空転し始めます。普通の車では、この空転するタイヤに動力が逃げてしまい、地面をしっかりと捉えているタイヤには十分な力が伝わらず、結果として車は動けなくなってしまいます。
このような現象は、片方のタイヤが滑りやすい路面に、もう片方のタイヤがしっかりとした路面にある場合に特に顕著に現れます。例えば、道の片側だけに雪が積もっている場合や、道路のわきに落ちてしまった場合などです。このような状況では、空転するタイヤはますます勢いよく回り続け、反対側のしっかりと地面を捉えているタイヤは動力を得ることができず、車は前に進むことができません。まるでシーソーのように、動力が空転するタイヤに偏ってしまうのです。
この問題は、四輪駆動車であっても発生する可能性があります。四輪駆動車は全てのタイヤに動力を伝えることができますが、左右のタイヤの回転速度の差を制御する機能(差動制限装置)がない場合は、やはり空転するタイヤに動力が集中してしまいます。そのため、雪道やぬかるみ道を頻繁に走行する必要がある場合は、差動制限装置付きの四輪駆動車を選ぶ、もしくはタイヤチェーンなどを用いるなどの対策が必要です。このような対策を講じることで、冬道やぬかるみでの運転の安全性を高め、立ち往生などのトラブルを避けることができるでしょう。