駆動力を制御する:トランスファーギヤボックス
車は、道路を走るためにエンジンでタイヤを回しますが、複数のタイヤを効率よく回す仕組みが必要です。その一つに複数車軸への動力の分配があり、これは、四輪駆動車や六輪駆動車などの複数のタイヤを駆動する車にとって特に重要です。
エンジンの力はまず変速機に入り、速度や力の大きさが調整されます。その後、変速機から出てきた力は分配機と呼ばれる装置に送られます。この分配機が、複数の車軸へ動力を適切に分配する重要な役割を果たします。分配機の中には、複数の歯車と軸が入っていて、これらを組み合わせることで、前後のタイヤ、あるいは三つ以上のタイヤへの力の配分を調整します。
分配機の働きによって、車は様々な道路の状態に対応できます。例えば、舗装された平らな道では、前後のタイヤに同じだけの力を送ることで、安定した走りを実現します。しかし、でこぼこ道や雪道など、滑りやすい場所では状況に応じて力の配分を変える必要があります。例えば、前輪が空回りしている場合は、後輪に多くの力を送ることで、車を前に進めることができます。逆に、後輪が滑っている場合は、前輪に多くの力を送ります。
分配機には、いくつかの種類があります。常に前後のタイヤに力を送るものや、運転手が切り替えることで二輪駆動と四輪駆動を切り替えられるもの、路面の状態に合わせて自動的に力の配分を変える高度なものなどがあります。
このように、分配機は車の走りを左右する重要な部品であり、複数の車軸を持つ車にとって無くてはならない存在です。それぞれの車軸へ送る力の割合を細かく調整することで、様々な道路状況に対応し、安定した走行と高い走破性を実現します。