クルマの最低地上高:知っておくべきポイント
車のことを知りたい
先生、『最低地上高』って、車の一番低いところから地面までの距離のことですよね?
車の研究家
そうですね。ただし、ガソリンは満タン、オイルや冷却水も規定量入った状態で、人や荷物は載っていない状態での距離です。これを『空車状態』といいます。
車のことを知りたい
じゃあ、どんな車でも9cm以上あれば大丈夫ってことですか?
車の研究家
ホイールベース(前輪と後輪の間の距離)が3m未満の車は9cm以上必要です。でも、カバーや樹脂製の部品などは測定から除外されますし、オフロード車のように悪路を走る車はもっと高い地上高が必要になります。スポーツカーなどは逆に安定性を高めるため、低く設定されていますね。
最低地上高とは。
自動車の用語で『最低地上高』というものがあります。これは、人が乗っておらず、荷物も積んでいない状態、ただしガソリンは満タンで、オイルや冷却水は決められた量が入っている時の、地面と車体の一番低い部分との間の距離のことです。でこぼこ道を走る四輪駆動車は、この高さを高く設定していることが多いです。逆に、舗装された道路を走ることを重視したスポーツカーなどは、車体の重心を低くして、カーブを曲がるときの安定性を高めるため、この高さを低くしています。安全に関する基準では、車軸と車軸の間の長さが3メートル未満の自動車の場合、どの部分も地面から9センチ以上離れていなければならないと決められています。ただし、車体の下を覆うカバーが付いている場合は5センチ以上でよいことになっています。また、樹脂でできた泥除けや、空気抵抗を減らすためのスカートなどは、この高さの測定には含まれません。
最低地上高とは
車は、様々な場所を走る乗り物です。街中のでこぼこ道や、山道の砂利道、時には冠水した道路など、路面の状態は様々です。このような様々な道を安全に走るために、車には『最低地上高』と呼ばれる大切な数値があります。最低地上高とは、平らな地面と車の車体の一番下の部分との間の距離のことです。
この距離は、車が安全に走れるかどうかに大きく関わっています。例えば、でこぼこ道や、駐車場の出入り口にある段差など、地面から突き出たものに乗り上げた時、最低地上高が低いと車体の底を擦ってしまう可能性があります。また、大雨で道路が冠水した時にも、最低地上高が低いと水が車体に入り込み、エンジンが止まってしまう恐れがあります。
最低地上高は、どのように測るのでしょうか?車は、人や荷物を乗せていない状態、そして燃料やエンジンオイル、冷却水がきちんと入っている状態で測ります。これは、車が普段走る時の状態を想定しているからです。この時の地面と車体の一番下の部分との間の距離が、最低地上高となります。この数値は、車の設計図を作る段階で決められ、車の説明書などに書かれています。
最低地上高の数値は、車がどのような道を走ることができるのかを知るための大切な情報です。例えば、最低地上高が高い車は、でこぼこ道や雪道など、路面状態が悪い場所でも比較的安全に走ることができます。反対に、最低地上高が低い車は、そのような道を走るのが苦手です。ですから、車を選ぶ際には、自分がどのような道をよく走るのかを考えて、最低地上高も考慮することが大切です。
項目 | 説明 |
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最低地上高 | 平らな地面と車の車体の一番下の部分との間の距離 |
重要性 |
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測定方法 |
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数値の確認方法 | 車の説明書などに記載 |
最低地上高と走行性能 |
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最低地上高とクルマの種類
クルマの底面と路面との間の距離、すなわち最低地上高は、クルマの種類によって大きく変わってきます。この高さの違いは、クルマの使われ方や設計思想によって生まれています。
例えば、山道や砂利道など、舗装されていない道を走る機会が多いオフロード車やSUVを考えてみましょう。これらのクルマは、石や木の根といった障害物を乗り越えることが求められます。そのため、最低地上高を高く設定することで、走破性を高めているのです。また、雪の深い地域でも、雪に埋もれにくくなるという利点もあります。
一方で、舗装された道路での走行性能を重視するスポーツカーを見てみましょう。これらのクルマは、速く、安定した走りを実現するために、重心を低くする必要があります。そのため、最低地上高は低く設定されています。低い重心は、カーブでのふらつきを抑え、安定した走行に貢献します。
また、街乗りを想定したコンパクトカーやセダンも、一般的にはスポーツカーほどではありませんが、オフロード車と比べると最低地上高は低めです。これは、燃費の向上や、乗り降りのしやすさなどを考慮した結果です。
このように、最低地上高は、クルマの用途によって大きく異なってきます。自分のクルマの使い方、例えば、通勤や買い物といった街乗りが中心なのか、それともアウトドアで悪路を走る機会が多いのかをよく考えて、最適な最低地上高のクルマを選ぶことが大切です。普段の生活の中で、段差や傾斜などで車体の底面を擦ってしまうといったトラブルを避けるためにも、最低地上高は重要な確認項目の一つと言えるでしょう。
車種 | 最低地上高 | 理由 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
オフロード車/SUV | 高 | 悪路走破性向上 | 石や木の根を乗り越えやすい、雪に埋もれにくい | 重心が高く、安定性に欠ける場合がある |
スポーツカー | 低 | 重心低下による走行安定性向上 | 速く、安定した走り | 悪路走破性が低い |
コンパクトカー/セダン | 中 | 燃費向上、乗り降りしやすい | 経済的、日常使いに便利 | 悪路走破性は低い |
最低地上高に関する法規制
車は安全に道路を走るために、様々な決まりがあります。その中の一つに、車体の地面からの高さ(最低地上高)に関する決まりがあります。これは、『道路運送車両の保安基準』という法律で決められています。
この法律では、前輪と後輪の車軸中心の間の距離(ホイールベース)が3メートル未満の車の場合、車体のどの部分も地面から9センチメートル以上の高さがなければなりません。9センチメートルという高さは、道路にある多少の凸凹や石などの障害物に車が接触するのを防ぎ、安全に走れるようにするために決められています。
しかし、車体の下部を覆う部品(アンダーカバー)が付いている場合は、状況が変わります。アンダーカバーは、地面に近い部分を守ったり、空気の流れを整えたりする役割を持つ部品です。このアンダーカバーが付いている場合は、地面から5センチメートル以上の高さがあれば良いとされています。アンダーカバー自体が地面からの衝撃をある程度吸収してくれるため、9センチメートルよりも低い高さでも安全に走れると判断されているためです。
また、樹脂で作られた泥よけや、車体前方の下部に付いている空気抵抗を減らすための部品(エアダムスカート)などは、最低地上高を測る対象にはなりません。これらの部品は、柔軟性があり、地面に接触しても破損しにくいため、安全な走行に大きな影響を与えないと考えられています。
このように、最低地上高の決まりは、車の安全を守るための重要な決まりです。ホイールベースやアンダーカバーの有無によって基準が変わるため、車の構造をよく理解することが大切です。
条件 | 最低地上高 |
---|---|
ホイールベース3m未満 & アンダーカバーなし | 9cm以上 |
ホイールベース3m未満 & アンダーカバーあり | 5cm以上 |
ホイールベース3m以上 | 記載なし |
最低地上高の測定方法
自動車の最低地上高とは、平坦な場所に自動車を停車させた状態で、路面と自動車の底部との間の最も短い距離のことを指します。この高さは、自動車が路面の凹凸や障害物を乗り越える能力を示す重要な指標であり、安全な走行のために欠かせません。
最低地上高を正しく測るには、いくつかの手順に従う必要があります。まず、自動車を水平で硬い地面に停車させます。次に、自動車を規定の状態にします。これは、一般的には、乗車定員分の荷物を積んだ状態を想定し、燃料も満タンの状態にすることを意味します。タイヤの空気圧も規定値に調整しておくことが大切です。
測定箇所は、自動車の底部で路面に最も近い部分です。多くの場合、排気管や駆動装置の一部など、車体中央部に位置する部品が該当します。ただし、自動車の種類によっては、バンパーやサイドステップなどが最も低い場合もあります。測定には、目盛りのはっきりとした定規や巻尺を用います。測定箇所を正確に特定し、路面と部品の最短距離を垂直に測ります。
正確な測定のためには、水平な場所で測定することが不可欠です。少しでも傾斜があると、測定値に誤差が生じてしまいます。また、サスペンションの状態も測定値に影響を与えます。サスペンションがへたっている場合は、最低地上高が低くなります。したがって、測定前にサスペンションの状態を確認し、必要に応じて整備しておくことが重要です。
最低地上高は、自動車の走行性能だけでなく、乗降のしやすさにも影響します。適切な最低地上高を維持することは、安全で快適な自動車生活を送る上で重要な要素となります。
項目 | 説明 |
---|---|
最低地上高の定義 | 平坦な場所に停車させた状態で、路面と自動車の底部との間の最も短い距離 |
測定手順 |
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測定箇所 | 自動車の底部で路面に最も近い部分(排気管、駆動装置の一部など) |
測定時の注意点 |
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最低地上高の影響 | 走行性能、乗降のしやすさ |
最低地上高と走行性能
車を選ぶ際、道路から車体底部までの高さ、つまり最低地上高は重要な要素です。これは、車の走行性能に大きく関わってきます。
最低地上高が高い車は、デコボコ道や山道、雪道など、整備されていない道路での走破性に優れています。大きな石や木の根、深い雪など、路面の障害物を乗り越える能力が高いからです。また、大雨などで道路が冠水した場合にも、浸水の危険性を低減できます。
しかし、最低地上高が高いということは、重心も高くなるということです。重心が高い車は、カーブを曲がるときに車体が傾きやすく、不安定になりがちです。そのため、高速走行時や急な方向転換時の安定性には劣り、運転に注意が必要です。
一方、最低地上高が低い車は、重心が低いため、安定した走行が可能です。カーブでも車体が傾きにくく、地面に吸い付くような感覚で運転できます。高速道路での安定性や、スポーティーな運転を楽しむには最適です。
しかし、最低地上高が低い車は、路面の障害物に弱く、ちょっとした段差でも車体底部を擦ってしまう可能性があります。未舗装の道路や雪道などでは、走行が困難になる場合もあります。また、車高が低いため、立体駐車場など高さ制限のある場所では注意が必要です。
このように、最低地上高にはメリットとデメリットがあります。自分の運転の仕方や、よく走る道路の状況に合わせて車を選ぶことが大切です。例えば、山道や雪道を頻繁に走る人は、最低地上高の高い四輪駆動車などが適しています。一方、街乗りが中心の人は、最低地上高が低い乗用車の方が運転しやすいでしょう。自分の使い方に合った車を選ぶことで、安全で快適な運転を楽しむことができます。
最低地上高 | メリット | デメリット |
---|---|---|
高い |
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低い |
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最低地上高の調整
車は、地面からの高さを示す最低地上高という数値で、走行性能や安全性が大きく変わってきます。最低地上高は、車体の設計段階で決められていますが、一部の車では、調整機構を使って変更することができます。例えば、空気ばねを使ったサスペンションを持つ車は、空気圧を変えることで車高を調整できます。また、ねじ式サスペンションを持つ車では、ねじの締め具合を調整することで車高を変えることができます。
しかし、最低地上高の調整は、安易に行うと思わぬ危険を招く可能性があります。例えば、最低地上高を高くしすぎると、車の重心が高くなり、横転しやすくなることがあります。また、最低地上高を低くしすぎると、路面の凹凸で車体が路面に接触しやすくなり、損傷する可能性があります。さらに、これらの改造は、道路運送車両の保安基準に抵触する可能性があります。保安基準は、車の安全性を確保するために定められた国の基準です。この基準に違反すると、車検に通らなくなるばかりでなく、罰則が科せられることもあります。ですから、最低地上高を調整する場合は、必ず専門の整備工場に相談し、適切な方法で行うようにしましょう。
タイヤの大きさも、最低地上高に影響します。大きなタイヤに交換すると、最低地上高は高くなります。反対に、小さなタイヤに交換すると、最低地上高は低くなります。タイヤの大きさを変えることは、見た目や走行性能を変える手軽な方法ですが、いくつか注意すべき点があります。例えば、タイヤの外径が変わると、速度計に誤差が生じる可能性があります。また、タイヤの幅が変わると、車の操縦安定性に影響を与える可能性があります。
車高やタイヤの改造は、車の性能や安全に大きな影響を与えるため、専門家とよく相談し、関連する法律や規則をしっかりと確認した上で行う必要があります。安全性を最優先に考え、責任ある行動を心がけましょう。
項目 | 内容 | メリット・デメリット | 注意点 |
---|---|---|---|
最低地上高の調整(空気ばね、ねじ式サスペンション) | 車高を調整することで最低地上高を変更 | メリット:路面状況への対応 デメリット:重心が高くなり横転しやすくなる、路面接触による損傷、保安基準抵触の可能性 |
専門の整備工場に相談、適切な方法で実施 |
タイヤサイズの変更 | 大きなタイヤ:最低地上高up 小さなタイヤ:最低地上高down |
メリット:見た目や走行性能の変更 デメリット:速度計誤差、操縦安定性への影響 |
専門家と相談、関連法規の確認 |