進化を続ける、走る歓び、ロードスター
車のことを知りたい
先生、『ロードスター』って、マツダの車の名前ですよね?でも、それ以外にも意味があるって聞いたんですけど…
車の研究家
そうだね。マツダの『ロードスター』は有名だけど、『ロードスター』という言葉自体は特定のメーカーの車種名ではなく、もっと広い意味を持っているんだ。オープンカーで2人乗り、軽快に走れる車種のことを指す一般名詞なんだよ。
車のことを知りたい
へえー、そうなんですね!じゃあ、オープンカーで2人乗りなら、全部ロードスターって言っていいんですか?
車の研究家
そうだね。カブリオレやコンバーチブル、ランナバウトなどと同じ種類の車のことを指す言葉なんだ。マツダがロードスターという名前の車を出したことで、日本ではマツダの車種名として有名になったけれどね。
ロードスターとは。
「車の種類を表す言葉『ロードスター』について説明します。ロードスターは、マツダが好きな名前の種類で、屋根のない二人乗りの、軽快に走れる車のことです。幌の開閉ができる車で、カブリオレやコンバーチブルなどと同じ仲間です。
1989年7月にユーノスという名前で発表、9月から発売されました。アメリカで売っていたミアータMX-5(古いドイツ語で『贈り物』という意味)を日本でも売るために作られました。
車の基本構造は頑丈な骨組みに、前後のサスペンションは独立したしなやかな仕組みに、1.6リットルのエンジンを前に置いて後輪を動かす方式です。変速機は5速の手動だけでした。屋根の代わりに取り外しできる硬いカバーも最初からありました。
販売グレードは一つでしたが、四種類のオプションが用意されていて、好きなものを選べました。90年3月には4速の自動変速機付きが追加され、7月には濃い緑色の英国風スポーツカーのような『Vスペシャル』が発売されました。この車にはパワーステアリングが標準装備でした。
91年7月には、全車にトランクの開ける装置や、シートベルトの締め付けを和らげる装置などが付けられました。一部のグレードには電動のアンテナが付きました。ブレーキの滑り止め装置付きの車も選べるようになりました。
同年11月には限定販売の『M2・1001』が発表されました。マツダのお店『M2』が作った特別な車で、この種の車はその後もたくさん発売されました。
93年9月に一部改良が行われ、エンジンは1.8リットルになり、1.6リットルはなくなりました。95年8月にはエンジンの部品を軽くし、5速手動変速機の車はギアの比率が変わりました。
98年1月に全面改良され、2代目になりました。この時から『マツダ・ロードスター』という名前に変わりました。外観では、前照灯が開閉式ではなくなり、楕円形の固定式になったのが特徴です。車体の大きさは変わらず、以前の取り外しできる硬い屋根もそのまま使えました。エンジンは1.6リットルが復活し、1.8リットルと両方選べるようになりました。1.8リットルには6速手動と自動変速がありました。1.6リットルは5速手動のみ。スポーツ仕様の『RS』も加わりました。
2000年7月、1.8リットルエンジンにバルブの開閉時期を変える仕組みが付き、馬力が増しました。内外装も一部変更され、前のバンパーのデザインが変わったり、シートや内装のデザインが変わりました。赤と黒のツートンカラーの内装の『RS-Ⅱ』も発売されました。『RS』系のタイヤとホイールも変わりました。
2001年12月、1.6リットル車にレース入門用の『NR-A』が追加されました。ナンバーも取得できますが、普通の車よりサスペンションやブレーキが強化され、冷却装置も大きくなっています。
2002年7月、全車の窓枠の周りの形が変わり、1.8L『VS』は内装と屋根の色が違う二種類になりました。一つは黒、もう一つはベージュで統一されました。2003年9月には内装と外観が新しくなりました。
誕生と初期の展開
軽快な走りを楽しむことを目指した、屋根のない車が、1989年の7月にユーノスという名前で発売されました。この車は、アメリカで売られていたミアータMX-5を基に、日本の道路や好みに合うように作られました。車体の骨組みは、背骨のように中心を貫く丈夫な構造で、前後の車輪はそれぞれ独立して動く仕組みにより、滑らかな乗り心地を実現しました。心臓部には、1.6リットルの高性能なエンジンを車体の前に縦向きに置き、後ろの車輪を動かす方式を採用しました。この配置は、車のバランスと運転の楽しさを追求した結果でした。発売当初は、自分でギアを変える5速の手動変速機だけでしたが、その後、自動でギアを変える4速の自動変速機も選べるようになりました。また、屋根の代わりに軽い強化プラスチック製の硬い屋根も用意され、取り外しができたため、空の下を走る爽快感と、屋根付きの安心感を両方味わうことができました。発売当初は、一つの基本型のみでしたが、4種類の追加装備が用意されており、それぞれの好みに合わせて自由に飾り付けることができました。自動でギアを変える4速の自動変速機が追加されたのは、1990年の3月で、同年7月には特別仕様車も発売されました。この特別仕様車は、深い緑色の車体で、イギリスの小さなスポーツカーを思わせる上品な雰囲気をまとっていました。この型には、ハンドル操作を軽くする装置が標準で付いていました。このように、発売当初から様々な工夫を凝らし、多くの人の心を掴む車として、人気を集めました。
項目 | 内容 |
---|---|
発売時期 | 1989年7月 |
ブランド名 | ユーノス |
ベース車 | ミアータMX-5(アメリカ) |
車体構造 | 背骨のような中心構造、前後輪独立 |
エンジン | 1.6リットル、高性能、フロント縦置き、後輪駆動 |
変速機 | 発売当初:5速MT 追加:4速AT(1990年3月) |
屋根 | 幌、取り外し可能な強化プラスチック製ハードトップ |
グレード | 発売当初:1つの基本型 追加装備:4種類 |
特別仕様車 | 1990年7月発売、深い緑色、パワーアシスト標準装備 |
改良と進化
1991年7月、顧客の安全性と利便性を向上させるための改良が実施されました。すべての車に、荷室の蓋を車内から開けることができる装置と、衝突時にシートベルトの締め付けを緩和する装置が標準装備となりました。一部の高級車種には、自動で伸縮する無線アンテナも搭載されました。さらに、車輪のロックを防ぐ安全装置を備えた車も選べるようになりました。
同年11月には、限定車「M2・1001」が発表されました。マツダの直営店であるM2が企画・開発したこの特別な車は、内外装に特別な装飾が施され、高い人気を集めました。この「M2・1001」は、その後も数多く販売されることになる特別仕様車の先駆けとなりました。
1993年9月には、車の性能を向上させるための大きな改良が実施されました。従来の1.6リットルエンジンに代わり、より力強い1.8リットルエンジンが搭載されるようになりました。これにより、加速性能や登坂性能が向上し、より快適な運転が可能となりました。1.6リットルエンジン搭載車は、この改良を機に販売終了となりました。
1995年8月には、エンジンの回転力を伝える部品であるはずみ車が軽量化されました。これにより、エンジンの回転応答性が向上し、より機敏な走りを実現しました。また、5速の手動変速機を搭載した車では、最終減速比が変更され、より低い速度域での加速性能が向上しました。これらの改良により、この車は走行性能と運転の楽しさをさらに進化させました。
年月 | 改良内容 | 目的/効果 |
---|---|---|
1991年7月 | 全車に荷室蓋車内開放装置、シートベルト締め付け緩和装置を標準装備。一部高級車種に自動伸縮無線アンテナ搭載。車輪ロック防止安全装置を選択可能に。 | 顧客の安全性と利便性の向上 |
1991年11月 | 限定車「M2・1001」を発表。内外装に特別な装飾。 | 特別仕様車の先駆け |
1993年9月 | 1.6リットルエンジンを1.8リットルエンジンに変更。 | 車の性能向上(加速性能、登坂性能向上) |
1995年8月 | はずみ車を軽量化、5速MT車の最終減速比変更。 | 走行性能と運転の楽しさの向上(機敏な走り、低速域での加速性能向上) |
二代目への進化と熟成
1998年1月に全面改良が行われ、二代目へと進化を遂げた新型車が発売されました。外観で最も目を引く変更点は、それまで採用されていた開閉式のヘッドランプから、固定式のヘッドランプへと変更されたことです。これにより、現代的な顔つきとなり、空気抵抗の低減にも繋がりました。車体の大きさを示す軸距は2265ミリメートルと、初代から変更はありませんでした。初代モデルで好評だった、屋根を取り外しできる部品も新型車に取り付けることができるなど、初代の良さを引き継ぎつつ進化させたと言えるでしょう。搭載される動力源は、排気量1.6リットルのものが復活し、1.8リットルと合わせて二つの種類が用意されました。1.8リットル版には、滑らかな変速が可能な六速の手動変速機と自動変速機が、1.6リットル版には五速の手動変速機が設定されました。より運動性能を重視したRS型も加わり、幅広い選択肢が提供されました。2000年7月には、1.8リットル版に、吸気と排気のタイミングを最適に制御する機構が採用され、最高出力は160馬力に向上しました。内外装にも手が加えられ、前部の衝撃吸収材にある空気取り入れ口が五つの区切りを持つ形となり、座席や扉の内側の飾り付けのデザインも変更されました。赤と黒の二色で配色された内装を持つRSーⅡ型も設定されました。RS系統には、外径が1インチ大きい205/45R16のタイヤと、重さを抑えたアルミ製の車輪が装着されました。これらの改良により、二代目型は、走行性能と快適性を高次元で両立した車として、人気を博しました。
項目 | 内容 |
---|---|
発売時期 | 1998年1月 |
ヘッドランプ | 開閉式 → 固定式 |
軸距 | 2265mm (変更なし) |
屋根 | 取り外し可能 (初代から継承) |
エンジン | 1.6L, 1.8L |
トランスミッション (1.8L) | 6速MT, 6速AT |
トランスミッション (1.6L) | 5速MT |
グレード | RS型追加 |
2000年7月改良 (1.8L) |
|
RS系統 | 205/45R16タイヤ, 軽量アルミホイール |
モータースポーツへの対応と特別仕様車
二〇〇一年十二月、競技を始める人のための基本車両として、一・六リットル発動機を積んだ車が発売されました。この車は「エヌアールエー」と呼ばれ、ナンバーを取得して公道を走ることもできます。競技向けに、標準車よりも頑丈な足回りや制動装置を備え、冷却水を入れる部分も大きくしていました。これにより、激しい運転にも耐えられるようになっていました。
二〇〇二年七月には、全ての型の車の前の柱にある飾りの形が変わりました。また、一・八リットル発動機を積んだ「ブイエス」という種類の車は、「組み合わせA」と「組み合わせB」の二種類になりました。「組み合わせA」は、座席の革と幌をどちらも黒で統一した上品な仕立てです。一方、「組み合わせB」は、車内と幌をベージュで統一し、明るく落ち着いた雰囲気を演出していました。これらの特別仕様車は、乗る人の好みに合わせて選べるようになっていました。
「エヌアールエー」は、手軽に競技に参加したい人にとって、うってつけの車でした。改造を前提とした基本的な設計で、購入後、自分の好みに合わせて部品を交換したり、調整したりすることで、より高い性能を引き出すことができました。また、ナンバーを取得できるため、普段使いもできるという利点がありました。一方で、特別仕様車「組み合わせA」と「組み合わせB」は、内外装の色の組み合わせにこだわったモデルでした。走行性能の向上よりも、デザイン性を重視した作りになっており、乗る人の個性を表現する手段として人気を集めました。このように、二〇〇一年から二〇〇二年にかけて、様々なニーズに応える車が発売されました。
競技志向の人から、おしゃれな車に乗りたい人まで、幅広い層に受け入れられる工夫が凝らされていました。これらの車は、当時の自動車市場に新たな風を吹き込み、多くの人の心を掴みました。それぞれの車が持つ特徴は、時代を反映したものであり、当時の車作りに対する熱意が伝わってきます。
発売時期 | 車種 | エンジン | 特徴 | 対象ユーザー |
---|---|---|---|---|
2001年12月 | NRA | 1.6L | 競技向け基本車両、ナンバー取得可能、頑丈な足回り・制動装置、大型冷却水タンク | 競技初心者 |
2002年7月 | VS (組み合わせA) |
1.8L | 黒革シート、黒幌、上品な仕立て | デザイン重視ユーザー |
2002年7月 | VS (組み合わせB) |
1.8L | ベージュ内装、ベージュ幌、明るく落ち着いた雰囲気 | デザイン重視ユーザー |
更なる進化への期待
走りを楽しむ車として広く知られるロードスターは、2003年の9月に内外装を一新しました。外観のデザイン変更だけでなく、内装の素材や装備も見直され、より洗練された車へと進化しました。
ロードスターが、発売当初から多くの人々を惹きつけてきた理由は、軽快な操作性と、屋根を開けて風を感じながら走る開放感にあります。この2つの魅力は、時代が変わっても色あせることなく、今もなお、多くの愛好家に支持されています。
人々は、ロードスターの更なる進化を待ち望んでいます。それは、速さや燃費といった性能の向上だけではありません。運転する楽しさをどこまでも追求する姿勢こそが、ロードスターの真髄であり、多くの人々が期待する点です。この揺るぎない姿勢こそが、未来の車社会を新たな方向へ導く力となるでしょう。
ロードスターは、単なる移動手段ではありません。人生をより楽しく、より豊かにしてくれる、かけがえのない仲間のような存在です。ハンドルを握るたびに新しい発見があり、所有する喜びを心ゆくまで味わうことができます。ロードスターは、これからも進化を続け、走る楽しさを追い求める人々に、最高の時間を提供し続けるでしょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
2003年9月 | 内外装を一新、より洗練された車へ進化 |
魅力 | 軽快な操作性、屋根を開けて風を感じながら走る開放感 |
真髄 | 運転する楽しさをどこまでも追求する姿勢 |
存在意義 | 人生をより楽しく、より豊かにしてくれるかけがえのない仲間 |
未来 | 走る楽しさを追い求める人々に、最高の時間を提供し続ける |