アクティブフォーシステム

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駆動系

アクティブフォーシステムの解説

車は、走るために様々な仕組みが組み合わされています。その中でも、四つのタイヤすべてに常に力を伝える仕組みを四輪駆動と言います。今回ご紹介する車の駆動方式は、四輪駆動の中でも常に四つのタイヤすべてに動力を伝え続ける種類で、前後のタイヤへの力の配分を自動で調整するさらに高度な仕組みです。この仕組みの中心にあるのが中央差動装置と呼ばれる部品です。この装置は、歯車を組み合わせた特別な構造で、通常は前のタイヤに32、後ろのタイヤに68の割合で動力を配分します。後ろのタイヤに多くの動力を配分することで、運転する時に力強さや滑らかさを感じられるように工夫されています。しかし、道路の状態や車の動きは常に変化します。雪道やぬかるみなど、タイヤが滑りやすい場所では、タイヤのグリップ力を最大限に活かすために、前後のタイヤへの力の配分を調整する必要があります。この調整を行うのが、電子制御油圧多板クラッチです。これは、自動で変速を行う装置の油圧を利用して、素早く正確に力の配分を調整します。この電子制御油圧多板クラッチは、路面の状況や車の状態を常に監視し、最適な力の配分を瞬時に行います。これにより、乾いた舗装路では軽快で気持ちの良い走りを、雪道やぬかるみではしっかりと路面を捉える安定した走りを実現します。このように、様々な状況に自動で対応することで、ドライバーは安心して運転に集中することができます。