クランクケースベンチレーション

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エンジン

車の心臓を守る、隠れたクローズド式ベンチレーション

車は移動のためにエンジンを動かします。エンジンの中ではガソリンが燃えて動力を生み出しますが、この燃焼の過程で、どうしても一部のガスがピストンとシリンダーの間から漏れてしまいます。この漏れたガスをブローバイガスと言います。 以前は、このブローバイガスをそのまま大気に放出していました。しかし、このガスには有害な物質が含まれており、環境への悪影響が心配されるようになりました。そこで、ブローバイガスを大気に放出しない仕組みが開発されました。これがクローズド式ベンチレーションシステムです。 クローズド式ベンチレーションシステムは、ブローバイガスを再びエンジン内部に戻して燃焼させる仕組みです。まるで人間が呼吸をするように、エンジン内部でガスを循環させていることから、「ベンチレーション」と呼ばれています。ブローバイガスを再び燃焼させることで、排気ガス中に含まれる有害物質を減らし、大気をきれいに保つことに貢献しています。 具体的には、ブローバイガスはまず、エンジン上部にあるバルブカバーから取り込まれます。その後、オイルセパレーターという装置でガスに混じったオイルとガスを分離します。分離されたオイルはオイルパンに戻され、ガス成分だけが吸気系に戻されて再びエンジンで燃焼されます。この一連の循環によって、有害物質の排出を抑え、環境負荷を低減しているのです。 近年では、排気ガス規制の強化に伴い、このクローズド式ベンチレーションシステムはほぼ全ての車で採用されています。環境保護の観点からも、このシステムの役割は非常に重要と言えるでしょう。